テニスの王子様
□守ってあげたい
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「薫、ごめんな遅れてっ」
とドアを乱暴に開き中に入ったが、そこはしん…と静まりかえっていた。
「……?」
よく辺りを見渡すと黒い塊が、猫のようにその華奢な体を丸めて眠っていた。
俺はそれに苦笑し、ゆっくりと薫に近づいた。
すると、さっきは気付かなかったが、薫はうなされているようだった。
その白い額にうっすらと冷や汗をかき、眉間には皺がよっている。
俺は驚き、荷物を適当に置くと薫の横に腰を降ろし、薫の少し汗に湿った前髪を梳いてやる。
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