テニスの王子様

□Please give me
2ページ/9ページ


部活が終わった今も、不二は女子達に囲まれて中々帰ってこない。



海堂はベンチに座って自分が作ったチョコレートの包みを見つめていた。


海堂は不二の周りの女子達のチョコレートと、自分が作ったチョコレートを思い出して、今まで一人で浮かれていた自分が馬鹿らしくなった。



不二はあんなに綺麗に包装された(きっと中味も美味しいだろう)チョコレートをたくさん貰っているのに、自分はこんな不格好な包みで……


チョコレートだって本に載っていたようには上手くいかず、形が崩れてしまっている。




こんなものをあげたって、不二は喜んでくれないんじゃないだろうか。




一度そう思ってしまうと、海堂の思考はどんどん悪いほうにいってしまって………






「…っ」



いつの間にか、海堂の瞳には大粒の涙。



ポタッ… ポタッ… とぎゅっと持ったままのチョコレートの包みの上に零れ落ちていく。






_
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ