涼やかな秋

□05:応接室にて昼寝中
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「・・」

見回りから帰ってきた雲雀は、目の前の光景に只々絶句する。

いつの間に侵入して来たのか、ソファの上に横になっている見覚えのある少女。
(確か・・インタビューとかなんとか・・)
不法侵入という言葉を果たして知っているのか?
他校の制服姿の彼女は並盛中応接室ソファの上で堂々と熟睡していた。
しかも置き忘れていった雲雀の学ランもちゃっかり毛布代わりにして。
「・・ねえ、起きなよ」
雲雀は未だ眠り続けている少女に声をかけた。
しかし、少女はうーん・・と唸ったきり目を覚ます気配もない。
「邪魔なんだけど」
「・・」
起きない。
「僕の服勝手に使わないでくれない」
「・・」
全く起きない。
「・・咬み殺すよ?」
「・・はひ!」
「?」
「そのケーキはハルのだから駄目ですよ〜」
「・・は?」
目を閉じたまま、ムニャムニャと眉を寄せてのその台詞に、またも絶句。
「何、それ?」

それが寝言だと分かるまで、およそ十秒。


         END
 

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