一夜怪談・7thBV

□だから好きなんです。
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【だから好きなんです。】



「あさぎさーん」

「あさぎさーん」

「あさぎさーん」

「……………。」


いつもなら「しょうがないな」って顔をして、しぶしぶながらも、結局は俺の相手をしてくれるのに。
いくら呼んでも俺に背を向けパソコンから目を離さない浅葱さん
さすがに俺も悲しくなっちゃいますよ…?
でもきっと浅葱さんは大事な書類を作ってるんだ。
だから俺の呼ぶ声にも無反応なんだ。
大丈夫、嫌われたわけじゃない。
今日はお仕事に集中したい日なんだ。

───わかってるのに。
ちゃんとわかってるのに、何故だか目が熱くなってきた。

ダメだ、今ここで泣いたら確実に浅葱さんの邪魔になる。

テレビでも見たら気が紛れるだろうか?
何か笑える番組でもやっていたらいいんだけど…、そう思いながらリモコンに手を伸ばす。

「 はぎま 」

いきなり声をかけられてビクッ、となってしまった。
その拍子にいつのまにか目に溜まっていた涙がポロッと落ちてしまう。

「疲れた。 もう仕事出来ない。 しばらくエネルギー充電させて。」

浅葱さんはそう言うと、俺の涙も、その理由も気づいているくせに、何もいわずに抱き着いてきた。

疲れた、なんて絶対に嘘だ。
だってパソコンに向かってまだ30分も経っていないのに。

俺のワガママをまるで自分のワガママのようにしてしまう浅葱さんが本当に優しくて、自然と俺は笑ってしまった。


END
2009/5/27〜2011/01/28

約二年間も居座ってくれた拍手掲載文(笑)
よく頑張ってくれました!w

たしかこの文で浅葱さんの大人な優しさを表現しようとして、あっさり挫折した覚えが…ww

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