信我之武士道
□満月の8月10日
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あれは何時の頃だろうか
まだ戦時中の………―
その日もやっぱり俺の8月10日
誰にも言わなかった俺の誕生日。
祭りとかの騒ぎ事は好きだったが…どうにもその『誕生日』って騒ぎ事は好きになれなかった
慣れてない優しさが嫌だったからか??
「高杉」
暇をもて余してた「その日」の夜。辰馬が声をかけてきたんだ
「なんだよ?」
「ちょっくら外行かないがか??」
一つの提案
暇だったから
ただ、それだけで辰馬の後を俺は追った
一歩手前を歩く辰馬は何もしゃべらない
俺も何もしゃべらない
会話なんか成立するわけない