魔法少女と夢の君
□プロローグ
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ピチャ・・・ピチャ
見わたす一面全てが真っ赤な炎で覆われていた・・・
その中に少年が一人何があったかわからず、ただ水溜まりの上にぼーっとして立っていた。
ピチャ・ピチャ・・ピチャ
少年は、右の方向を見ると森や花が無惨に炎の中に包まれている・・・
ピチャ・・・ピチャ・・
左を見ると破壊し尽くされた今や瓦礫同然の城や家・・・
ピチャ・・ピチャ・・
正面に目を向ける・・・そこには山のように積まれた何なのか分からない壊れた人形・・・
少年は自分の体を確認する・・・ 自分の足場は、炎と同じ赤色
ピチャ・・ピチャ・・
自分の両手を空に掲げ自分も空を見る・・・
そこには、真っ赤な液体がベットリ付いて今も絶えず流れ顔に落ちていく・・・
「まだ生きていたのか・・・」
不意に後ろからこの熱さを一瞬にして凍りそうな冷酷な声の方に振り向いた・・
その男の特徴は、身長が高く黒と赤の混じったロングコートに鞘からまだ抜いていない剣、唯一首からかけていた真っ黒のロザリオが一番の特徴だった・・・
?「お前も不運だな■■■ の■■■として生まれ て・・・」
コートを着た人間が意味が分からないことを言い、肝心な部分が炎の激しさの前に消え失せた・・・
?「まだ幼い子供を殺すの は気が引けるが・・」
コートを着た人間は剣を抜く・・・その姿は罪人を殺す断罪者に酷く酷似していた・・・
?「せめて来世では幸せ
になれ・・・」
トス
少年の体はやさしく貫かれた・・・
人形の紐が切れたように地面に両膝をついた・・・少年瞳が少しづつ閉じていくさなか見上げた空を見て・・・
少年「ああ・・今日はきれ いな月だな・・・」
そっと誰にも聞こえない声つぶやき、少年の意識は闇の中に落ちていった・・・
→後書き