虹の賢者
□はじまり・赤の賢者編
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オーシャンは先ほどまでの身に覚えのない攻撃に疲れて、その日は早くに宿を決め休むことにした。
よほど疲れていたのか、早くも夢の中にいた。
行方を追っている両親との再会…
ふとオーシャンは懐かしさを覚え、目を覚ましたた。
暗いはずの部屋にあたたかい光がさしていた。
よくみると、自分の小物入れからその光がもれている。
オーシャンは小物入れを開けた。
光っていたのは拾った石。
あたたかく、どこか懐かしい光をその赤い石は放っていた。
「石が… 光ってる?」
その不思議な光はどんどん大きくなり、オーシャンを包んでいった。
一瞬まぶしい光に目がくらんだ。
しばらくして目が慣れると、オーシャンは宿のベッドの上にはいなかった。
さわやかな風が吹く広い草原の真ん中にいた。
目の前には見たこともない人物が立っていた。
ローブのフードをまぶかにかぶった老人だった。
「あなたは誰?」
おそるおそるオーシャンは尋ねた。
「私は赤の賢者…」
「赤の賢者?」
オーシャンはオウム返しに聞きながら、身を構えていた。
「けっして怪しいものではない…」
「十分にあやしいわよ!」
「実はお前様に探してほしいものがある…」
「探してほしいもの?」
つづく