あべきよ!
□昼休み、一組にて。
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「で、でもむしろ阿部でよかったじゃん!お母さんがどこぞの変な輩につかまるよりはよくない?」
「俺にとっては阿部も十分変な輩だしっ!」
そう俺が言っていたら、2人が俺の頭の上あたりを見たまま固まった。
「誰が、変な輩だと?」
頭上から声が降ってくる。
…俺死んだかな。
「変な愚痴こぼしてねぇで帰るぞ。」
阿部が俺の首根っこをがっしりと掴んで引きずっていく。
助けを求めるように2人を見ると、苦笑いをしながら手を振っているだけだった。
うわーん、巣山と栄口のバカー!!
ずるずると7組まで連れてこられて、席にストンと座らせられた。
「あんまウロウロすんな。」
阿部は一言そう言って自分の席に戻っていく。
そしたら昼休みの終わりを告げるチャイムがなった。
…なんだよ、俺がどこにいようがホント阿部には関係ないし!
俺はちょっとイライラしながら五限の教科書を出した。
続く。