小説

□蒼き瞳 朱き蝶 〜漆黒の闇に一筋の光を〜3
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「おっかえりー!!深凪!!朱雀!!」


…相変わらずテンション高いなぁ…。


「……ただいま。楓さん」


「………。」


「朱雀、《ただいま》は?」


「…………。」


楓の事を無視し、朱雀はどこかにいってしまった…。


「…もう少し素直だったらいいのにねー…

深凪はこんなにも可愛いのにッ!!
このサラッサラで長くて綺麗な金髪!!羨ましいわ〜ッ!!」


ギュッと深凪は楓に抱きしめられる。


「…ありがとうございます…。」


…ちょっと、誉めすぎじゃないか……?


…などと、心中で呟く。



楓さんの家は普通の街中にあり敷地面積は広く地下室もある。地下室は、訓練場や地下倉庫などがあり、《胡蝶々》の為に作られたものだ。



…それにしても…。
いつになったら解放してくれるのかな…?
苦しくなってきたよ…。


「………あ、あの〜…。」


「…ん?あッ、ゴメン!!」


「ただいま〜!

深凪、今日のご飯なに?」

深凪が息つくと同時に彗輝が帰ってきた。そしていつものこの質問……


「彗輝、おかえりなさい!!今日はまだ決めてないの。

何か食べたいものある?」

「じゃあ…カレーがいいなッ!!」


彗輝くんは、神の眷属で朱雀くんの相棒。…でも見た目や発言があまりにも子供っぽすぎるので…、正直に言って神らしくない(!?)。



「わかった!じゃあ楽しみにしていて!!」


「やったぁ!!」



―――…。


…こうして、深凪の一日が終わる。


何度も言うが、本当に日常が変わった。

今まで暗く何もないような田舎から、急に明るく騒がしい都会に行ったかのようなカンジ……。



…でも、それは深凪にとってとても心地の良いコト…。

とても幸せなコト…―。





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