11/28の日記

00:22
もしも
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もしも、あの時、違う選択をしていたら。
そしたら、きっと…。

もしも、あの時、あの娘をひきとめていたら。何が何でも手を離さなかったら。
そしたら今頃、違う仕事をして、休みには旅をして、考え方も違っていて、退屈な日々を過ごしていたかもしれない。

地球規模でみたらなんてことない変化。空の下でたわむれているのに変わりはない。


風に色があるとしたら、この風はあの時、10年前あの娘の手を離した時、2人の間を駆け抜けた風に違いない。
黒く冷たい、月を隠す雲のようにゆっくりと流れる風。
同じ色をしたこの風は、本当は手を離さなかったのだと教えてくれた。
もしも、手を離したらどうなるのか試してみたいんだ。そう言うから、風は願いを聞いてあげたんだと言う。
手を離したとたん、今まで2人で育ててきた生き物が、急速に枯れゆくのを感じて、涙した。
後悔もした。
もう戻る事はできないのだ。
おわりだ。
見殺しにした事を悔やみながら生きるしかない。

今出来る事は、この選択をして良かったんだと想い続ける事。

いつか、この風が夜空に月を輝かせた時、私は、退屈な日々を過ごしているかもしれない。

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