ブリーチ
□ブラック
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ブラック
月曜の夜。
ふと石田に会いたくなって、衝動的に家を飛び出した。
電話連絡も何もせずに、ただがむしゃらに走って…。
いつもの到着時間よりも半分以下の時間で辿り着く。
玄関の前で、汗を手で拭い荒い息を整えて。
右手人差し指で、呼び鈴を鳴らした。
ピンポ〜ン
《はい?》
「石田、俺」
機械越しの彼の声。
こちらの声を聞いて、何故か石田はうろたえて…「ちょっと待って!」と言う声と共に、中からガタガタと大きな物音が聞こえた。
……エロ本でも隠してんのか?
いやいや…石田に限ってそれは無いだろ。
いくら健全な高校男児とは言え……いやそうじゃなくて。
例え持ってたとしても、慌てて片付けなきゃならないようなヘマはぜってーしねぇ。
「お待たせ!」
ガチャリとドアが開き、石田が現われた。
心なしか、少し髪が乱れている。
……何だか声が裏返ってません?石田さん。
エロ本じゃないにしても、やましいものを隠していたのは事実だろう。
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