ブリーチ
□これでも愛情100%
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これでも愛情100%
「黒崎」
グイ、と後ろから肩を掴まれて、彼から突き付けられたのは…綺麗にラッピングされた小さな箱。
珍しく、彼から家に招待してくれたと言うのに…更に驚く出来事。
「……何これ…?」
訳が分からない、と言うように首を傾げる黒崎に、石田は少し大袈裟な溜息を付いて、言う。
「チョコレート」
「チョコぉ!?」
ますます訳が分からなくなった黒崎が混乱の中、必死に思考を巡らせると、辿り着いた一つの答え。
「…バレンタインか!」
手をポン、と叩いて嬉しそうに言う黒崎に軽く微笑み、石田は「開けてみてよ」と言って彼の行動を待つ。
もちろん、黒崎は嫌がることなく素直にラッピングを解き、中身を開ける。
中に入っていたのは、ハートと丸、2種類の形をした小さなチョコレート。
付き合い始めて約3ヶ月。
普段は凄く素っ気無い彼からの、意外な贈り物。
本当は、黒崎は顔がニヤけそうな程に嬉しい。
しかし、いくら何でもそんな顔を彼に見せるのは恥ずかしい。
そんな気持ちから、嬉しそうに、しかしキリッとした表情を作る。
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