11/29の日記

00:25
お兄ちゃん/ボカロ:がくリン+KAITO
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「もうっ!ミク姉あたしの洋服をKAITO兄のマフラーと一緒に洗わないでって言ったでしょ!?」
「ご、ごめん……洗濯物少なかったから…」
「もう1回洗い直しといてね!不潔でこんなもの着れないっ!!」

………こんにちは、KAITOです。
最近、可愛い妹のリンちゃんが…思春期です。
前みたいに、一緒に買い物行ったりお風呂入ってくれたりしません。
まぁ、それだけなら良かったんです。
まさか……リンちゃんが…リンちゃんがあんなことするなんて…。



‐‐――

「リン殿と交際させて頂いている、拙者、神威がくぽと申す」
「がくぽお前何やってくれてんのぉー!!!???」
「おお、そう言えばリン殿はKAITO殿の妹君であったな」
「今更思い出した風装わないでくんないかな!?」

仕事でちょくちょく一緒になる、友人に妹を捕られてました。

「リンちゃんは純粋なんだからね!?未だにサンタさんは居るって信じてる可愛い子なのよ!!勝手に誑かさないでちょうだい!!」
「某赤目の少年のネタを持ってくるなでござる。そして女言葉になって来てるでござる」
「つーかつるぺたに萌えるとかがくぽやーいロリコンやーい」
「…………KAITO殿、そなたは小学生か…」
「いい加減にしろよ兄貴…?」

ドカバキャァ
僕はリンちゃんに殴らりた。

「がくぽさんはとても良い人よ。がくぽさんを侮辱するなんて許さない」
「でも何処の馬の骨か分からないような奴…!!」
「インタネ家の長男、神威がくぽさん。ちゃんと分かってるじゃない」
「年の差が…!!」
「あたしは公式14歳設定だけども、がくぽさんに公式年齢設定は無いわ。もしかしたら同い年かもしれないわよ?」
「レンくんやミクちゃんが反対する…!!」
「私は良いと思うよーがくぽさん」
「KAITO兄より格好良い兄貴出来て俺嬉しい」
「も……やだぁレンったら!が…がくぽさんを兄だなんて…!」
「いや、構わんぞレン殿。いくらでも兄者と呼ぶが良い」

クッ……皆がくぽに毒されおって…!!

「………良いかがくぽぉっ!!!おにーちゃんは絶対…絶対許さないんだからなぁー!!!」

ヤバい、目からアイスが零れそうだ。
僕はそれを隠すように自室に駆けて行った。

「………ウザい兄でごめんね?がくぽさん」
「あれでも、一応俺らの大事な兄貴だからさ」
「仲良くしてあげてねーがくぽさん」
「ああ……もちろんでござる」



END..

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00:17
居場所/銀魂:銀新
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今日は…僕個人の用があって、一度も万事屋に足を運ばなかった。
ま……真面目に通ったところで、給料がきちんと支払われる確率は五分五分だし。
そう言う日があっても、良いと思った。



万事屋の一員となってからは、家に帰らず万事屋に泊まることも多くなった。
姉上も仕事で、夜に家で一人になることが多いから…だ。
今までは、それが当たり前だったのに。
あの銀髪天然パーマと出会って、更に怪力大食い少女も万事屋の仲間となり……知ってしまった温もり。
特に銀さんからは……特別な愛を。

今までは、この孤独に耐えられて居たと言うのに。
どうしてだろう、たった1日行かないだけで胸がざわつく。



‐‐――

ダンダンッ

万事屋の入り口の戸を、乱暴に叩く。

「へいへいうっせーんだよ。今何時だと思ってるんですかー?夜9時ですよー?……って、新八?」
「……お邪魔します」

欠伸をしながら気怠そうに戸を開けた家の主人に軽い断りを入れて、足早に中へと進む。
廊下を抜ければ、居間で神楽ちゃんと定春がテレビを見ていた。

「銀ちゃーん…やかましいのは何処のドイツだったアル……って、何だ新八カヨ」
「悪かったね、新八で」

一瞬振り返った神楽ちゃんが、またテレビの方に視線を戻す。
僕は…と言えば、家から持って来た煮物とおにぎりを広げて、1人かぶりつく。
流石に異常な行為だ。
神楽ちゃんも銀さんも、呆然と僕を見ている。

「……夕飯、まだ食べて無いんですよ。悪いですか?」
「「いや……別に…」」

暫く食べ続けていたら、まず神楽ちゃんが僕の向かいに座る。

「酢昆布おにぎりあるのかヨ」
「無いよそんなもの」
「仕方ない……梅干しで手を打つアル」
「ちょ……食べちゃ駄目だって!!」

無理矢理おにぎりを奪われた。
それを一気に詰め込んだ神楽ちゃんは、まるでハムスターのようで。
今度は銀さんが、僕の隣に座って煮物をつまむ。

「んー…新八くんねぇ……これ、悪くは無いんだけどねぇ…銀さん的にはもう少し甘めのが良いかな…」
「これ以上糖分摂取量増やして死ぬ気ですかアンタ」

ああ、悔しいけど……満たされる。
非常識人間達に囲まれて、バカみたいに笑ってるこの時が、大好きなんだ。

「旦那の心配してくれるのは嬉しいんだけどさぁ……坂田さん家の嫁になるならもうちょっと妥協してもらわないと…」
「ちょ……誰が嫁になるなんて言いました!?」
「え、じゃあ俺が嫁?無理でしょ。いやいや無理でしょ」
「断固拒否!!!」
「新八マミー。これおかか少な過ぎるアルー」
「いつからアンタは娘になったんだァァッ!!」

……まぁ、銀さんの嫁はともかくとして。
こうやって、いつまでも過ごせたら。
そう思っては、時折悲しくなる。

この人達を失ったとき、僕はどうなるんだろう?

そんな気持ちを心の奥に押し込んで。
今日も僕は、笑っている。



END..

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00:03
web拍手まとめ/獄山(山本女体化)
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意地悪な彼氏



「獄寺……」

散々キスだって重ねて来た。
流石の俺だって、キス以上の行為を知っている。経験は無いけど。

だから……初体験は獄寺が良いな、って漠然と思ってる。
だって、獄寺は俺の彼氏だもん。



「何だよ」
「そろそろキスだけじゃ……物足りないのな?」

カクン、と小さく首を傾げる。
獄寺だって男の子だもん……彼女から誘われれば断んないはず。
ここは、1人暮らしの獄寺の家。
邪魔者なんか居ないんだから。

「へぇ……」

獄寺が、ニヤニヤと悪戯前の子どもみたいな笑みを浮かべる。

「じゃあ、こう言うとこ……触って欲しいのかよ?」
「ふひゃあっ!」

獄寺の手が、俺の胸に触れる。
ふにふにと揉まれる感覚が、想像以上に気持ち良い。

「こっちとか?」
「ひゃあああんっ!」

獄寺の手が、片方俺のスカートを捲ってパンツの上から指で撫でて来る。
こんなとこ……触られたの初めてだから、何か気恥ずかしいし…何か変な感じ。

「……っと、続きは今度な?」
「へ……?」

最後に軽く唇にキスされて、獄寺の両手が俺の身体から離れて行く。
散々煽っておいて……続きは今度って!!

「酷いのな…」

何だか、泣きそうだ。俺…。



(ったく……あの山本が突然そんなこと言うなんて思わなかったから、全然準備してなかったじゃねーかよ!クソ……中途半端に勃っちまったこの状態、どうすりゃ良いんだよバカ!!)

一見意地悪に見える彼氏の本当の気持ちなど、彼女は知る余裕も無いのだった。



END..



ちっちゃい彼氏



「獄寺って……ちっちゃいよなぁ」
「んだと!?」

いくら俺の可愛い可愛い彼女だからって、言って良いことと悪いことがあるだろーが!
腹が立ってダイナマイトを構えた俺を、山本はまぁまぁと言って宥めようとする。

「何つーか……俺がデカ過ぎるだけだよな?そーなのな」

苦笑しながらそう言う山本を見て、何も身長にコンプレックスがあるのは俺だけじゃないと言うことに気が付いた。
コイツだって、中2の女子……いや、成人女性であったとしても、確実に177cmは高過ぎる。

「ごめんな?可愛くなくて……」

泣きそうな顔して言う山本の頭を軽く叩いて、少し声を荒げて言う。

「あ?てめーが立派なのは図体くらいなもんだろーが。直ぐにピーピー泣きやがって……充分に可愛いんだよバカが!」
「獄寺………好き!大好き!!」

山本がニコッと笑って、勢い良く俺に抱き着いて来た。
その豊満な胸に、俺の顔を押し付けるから軽く窒息しそうになる。

「俺……頑張って可愛い彼女になるからな!獄寺のお嫁さんにしてな!」

さり気なく逆プロポーズされてるし。
頷いてやろうかと思ったけど、止めた。

いつか、俺が大人になって……お前の身長を抜いたら。
俺から結婚を申し込むんだからな。



END..



彼女立候補!



獄寺がモテるのは分かる。カッコ良いもん。
外人の血が混じってて、髪とか綺麗な銀髪だし、目も緑だし。
誰だって、一度は獄寺にドキッとすると思う。

ツナに近付いたのは、半分は下心。
もちろんツナにも興味はあった。でもそれよりも、獄寺に惹かれていた。

ツナを通してでも良いよ。
獄寺、俺を見て?



「聞いてあげて、山本。獄寺くん…好きな人が居るみたいなんだ」
「ぶっ!!??なっ…なななな何言ってんですか10代目えぇぇっ!?」

獄寺が飲み物を盛大に吹き出した。明らかに動揺してる。
ツナが嘘言うとも思えないし……ホントなんだ。
獄寺、好きな人居るんだ…。

「その子はね、運動神経抜群で……うん…勉強面はそんなに良くないけどやれば出来る子で、愛嬌があって可愛い子なんだよ!」

……誰だろう。
獄寺に好かれてるとか、羨ましい。
きっと、その子も獄寺のこと好きなんだろうな。両思いなんだろうな…。

「ちょ……そこまで言ったらバレバレじゃないですか!?」
「良いんだよ。山本には遠回しじゃ通じないんだから………って、山本!!??」

ポロポロ。涙が零れる。
嫌だよ、獄寺に彼女出来んのなんか嫌だ…。

「っく……俺だって…好きな人居るもんっ…ぐすっ、獄寺のこと好きだもん……ふぇっ…」
「……………本気で?」
「うん…?」

いつの間にか獄寺が俺の近くに来てて、俺のことじっと見つめてる。
悲しいけど、嬉しい。獄寺が俺だけ見てくれてる…。

ちゅっ。

「ひぁっ!?」

な…何か獄寺の顔近いなぁって思ったら。
何これ、もしかしてちゅーされた!?

「………よし、仕方ねぇから彼女にしてやるよ」
「へ?だって獄寺好きな奴居るんだろ?」
「……そんな大泣きで告白されて…断れるかよ」

ってことは……俺、その子に勝ったってことなの?
そっかぁ……勝ったんだ…。

(ったく……好きな奴はてめーのことなんだよ、この鈍感女…)



(………2人が上手く行ってくれたのは嬉しいんだけどね、俺の存在忘れて2人の世界入らないで欲しいな…)



END..



彼女の憂鬱



今日も、獄寺が誰かに告白されてた。

「今日は……C組の広井にコクられてたよな…獄寺」
「あ?何だよ、いきなり」

俺は、獄寺のことが大好きで大好きで…玉砕覚悟で告白したのが1週間くらい前。
獄寺からの返事は意外なことにOKで、俺はその日から『獄寺の彼女』になったんだけども。
ツナを含めて全員に内緒にしてるから、今日も獄寺への告白が絶えることはない。

「そう言うお前こそ、今日もラブレター沢山もらってたじゃねぇかよ」
「ハハッ、あんなの本気じゃねーって」

獄寺は、「お前はモテることをいい加減自覚しろ」とか言うけど、こんなデカくて可愛くねぇ女がモテる訳ねーし、ラブレターだっていたずらだと思うんだよな。

「………ちょっとだけラブレター送った奴に同情するわ…」
「それよりも…獄寺はマジでモテるしカッコ良いし……何で俺なの?」

俺がそう聞いたら、獄寺はびっくりした顔で俺を見た。

「……別に…良いだろーがよ…何ででも…」
「だって……獄寺、俺が彼女だって言ってくんねーし…だからいっぱい告白されて……俺なんかこんなデカいし可愛くねーし…もしかしたら俺と付き合ってんの恥ずかしいから言ってくんないのかなって…」
「………山本」

全部言い終えて獄寺の顔見たら、何か怒ってるみたいに俺を睨んでる。
獄寺が右手を上げたから、殴られるのかなって思って反射的に目を閉じると。

おでこと口に、何かが当たった。
多分、おでこは獄寺の手だと思う。
口は……何だろ?

何かが口から離れて、そっと目を開けてみても……やっぱり獄寺は怒ってる。

「別に……お前と付き合うことが恥ずかしい訳じゃねぇよ…」
「じゃあ…何で内緒にすんだよ?ツナにだって……」
「………ファミリーに手を出したなんて知られたら…俺の信頼が落ちるからだ」
「ふーん?……よく分かんねーけど、ツナはそんなことくらいじゃお前を嫌いになんないと思うぜ?」
「………分かったよ…明日、言う…」

そう言って、獄寺がまた顔を近付けて来た。
ああ……さっき口に触れたのは、獄寺の唇だ…。

「ん……ご、くでら…?」
「お前は…俺のもんなんだからな、分かってろよ?」
「うん、俺は獄寺のもんな!」



次の日。
俺と獄寺で付き合ってることをツナに報告したら、「良かったね」って言ってくれた。
それから…噂で俺達が付き合ってることが徐々に広まって来ていて、男子にからかわれたり、女子に羨ましがられたり。

でも、獄寺は誰にもあげないんだからな!


END..



カルタ



獄寺がカルタを持って来た。
何でも、昨日ツナの家に行ってチビ達とやったらしい。

「じゃ、お前が読んで、俺が取るからな」
「うん」

でも…カルタって2人でやっても楽しくなくね?
そう思いながらも口には出さないで、読み札を自分の方に避けて取り札を床に並べようとしたら、獄寺が止めた。

「俺がやるから、お前その場に横になれ」
「へ?」

何で?とか思いながらも言われた通り横になる。
すると獄寺はニマリ…と笑って、俺の体の上に札を並べ始めた。

「ちょ……獄寺!?」
「おい暴れんなよ!大人しくしてろ!」

獄寺に命令されると、逆らえない。
全身に(顔と手以外)札を並べ終わって、獄寺は言う。

「読め」
「は…はい……」

ゆっくりと手を上げて、読み札を自分の顔に翳す。

「えと……『柿の木になった身を、取って食べました…』」
「『か』………これか」
「ふひゃあっ!」

ぐぅ…とお腹に重心が掛かった。
そんな俺の様子を見て、獄寺が耳元で囁いた。

「札…半分以上落としたら……今度は裸でやらすからな」
「そ、それは流石に嫌だ…」

今だってすげぇ恥ずかしいんだから。

「じゃあ……頑張れよ」
「うん…」

俺はまた読み札を顔の上に持って来て、読む。

「『素敵なドレスをありがとう、魔法使いさん』」
「『す』だな……えーと…」

な、何か獄寺に体見られてるみたいで恥ずかしい…。

「お、これだな」
「ああっ!」

そう言って、獄寺が触れたのは右の胸の上にある札。
しかも今度は、なかなか手を離してくれない。
何度も指で刺激される。

「やぁっ……獄寺…離してよぉっ…」

このままじゃ…札落としちゃいそう…。

「離して欲しかったら、次読んだ方が良いんじゃねぇ?」
「あ……うんっ…『見て、誰かが僕のベッドで寝ているよ』…」
「………お前…運が良いのか悪いのか分かんねーよなぁ…」

漸く右胸から獄寺の手が離れる。
ククッ、と笑った獄寺の言葉の意味が分からず呆然としていると。

「あっん…!」

電気が走ったような感覚がした。

「あーあ……札落ちちまったぜ?」
「あっ……だってぇ…そんなとこ…無理ぃっ…」

獄寺が取ったのは、1番敏感な部分に置かれた札。
グリグリと…擦るように札を押し付けて来る。

「仕方ねぇ……次は裸だな」
「やあぁっ!……お願…いっ…それは嫌ぁっ…!」
「じゃあ……また最初からやり直しだな」

ニコッ、と笑って獄寺が手を離す。

「俺が全部札取れたら、その話は無しにしてやるよ。ただし……全部取れるまで何回でもやり直すからな」

楽しそうな獄寺の顔を見ながら、半分ぼうっとした頭で思ったことは。
ツナのバカヤロウ。カルタなんか教えなきゃ良かったのに。
それだけだった。



END..

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00:03
web拍手まとめ/山獄
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らしくねぇ…。
心中で、吐き捨てる。



いつもはヘラヘラと、危機感も何もねー笑顔浮かべてんのに。
ふいに、真剣なまなざしで見つめられて。

『獄寺……好きだ』

そんなことを、言うから。
ポロリと口から落ちた煙草の存在さえも忘れて。
走り出した。
アイツの……呼び止める声も気付かないフリして。



「……んだよ…」

しばらく走って振り返って。
誰も居ないことに、腹が立つ。

「何で……追って来ねーんだよ!!」

自分から逃げたくせに、追って来て欲しかったなんて。
もう訳が分からない。

ふと、口元に煙草が無いことに気が付いて。
それと同時に感じた、異様な空虚感。



ああ、そうか。
いつの間にか依存していた。
煙草のように、アイツにも…。



『煙のように、ゆらゆら不安定な心』



思わず…あの野球バカを殺そうとしたことがあった。

息苦しくて、息苦しくて。
コイツが居なくなりゃあ、苦しくなくなるのかな?
そんなことを思って……部活中に頭をぶつけたらしい、保健室のベッドで無防備に眠る山本の首に手を掛けた。
親指に力を込めて、喉仏を圧迫する。

お願いだ……消えてくれ。
俺はもう、こんな訳の分かんねー…苦しい思いなんか断ち切りてぇんだよ…。

「ん……」

呻き声が聞こえて、思わず手を離した。
そして我に返る。

(バカか……こんなことしたら…10代目が悲しむことになる…)

右腕とあろう者が、己の感情のみでファミリー(俺は認めてねぇが)を殺すだなんて…。



このもやもやとした気持ちを…伝えられたらどんなに楽だろうか。
そしたら……こんなに苦しくもならないんだろうか。



『思いが溢れて溢れて、窒息してしまいそう』






手に入らないなら、壊してしまえば良い。



「……どけよ」
「嫌だ」

即答した。
もう、限界だから。
獄寺に蔑まれようが、嫌われようが、今更どうでも良いと思った。

「てめー……何のつもりだ?」

『ツナが呼んでる』
そう…嘘を言って獄寺を屋上に呼び出して、間髪入れずに押し倒した。
獄寺の腹の上にどっしりと座り込んで、逃げられないように。
獄寺の両手をしっかりと掴んで、暴れないように。

「……さぁな」

獄寺からの問いを誤魔化して、その唇にキスをする。

何のつもりか?そんなの俺にも分からねーもん。
獄寺のこと…好きになり過ぎて、そんで、全部欲しくなって。
心が貰えなくとも、その全てに触れられれば良いなんて……どうかしてる。

「ふ……あ、ん…」

潤んだ瞳。
蒸気した頬。
敏感に感じる肌。
ああ、まるで。
獄寺が俺に、恋してるみたい。

「おまっ……何で…?」

弱々しい声で。
いつもの勢いもなく。
獄寺の顔した、別の人みたいで。

「………好き、だから」

今まで言えなくて散々悩んでいた言葉が、あっさりと口から零れて。
やっぱり、嫌われたくない…と思った。

「そ、うか…良かった」

言葉の意味を理解する前に、獄寺からキスされて…そんで、ふいに見えた獄寺の微笑みが…あまりにも綺麗だったから。

「お前がそう言わなかったら、殺そうかと思った」
「それは……勘弁して下さい」

あ、要するに。
獄寺も俺のこと…好き、なんだよな…?
それが分かったら何か安心して、気が抜けた。

「……ごめんな?」
「謝るな、バカ」



『今日も、また君に恋をした』






「あれ……これ」

何となく目に入った。
確か……半年くらい前に、テレビで聞いて気に入ったから買ったCD。
久々に聞こうかな…と思って、CDをケースから取り出してプレイヤーに入れる。

そんで…しばらく聞いてみたけど、何か飽きたから停止ボタンを押した。

「昔は、好きだったのにな…」

買ってから、しばらくはずっと延々と聞いていたくらいに好きだった曲。
なのに、今は何とも思わない。

「……こうやって、気持ちは変わってくんだな」

アイツも?
ずっとずっと傍に居る内に飽きて、少し離れてみたら、次に会ったときには……好きじゃなくなってるのか?

そんなことを思ったら、少しだけ涙が零れたなんて……誰にも言えない。
俺だけの、秘密。



『この気持ちだけは、変わらないって信じたい』

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