小説

□誇り
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――――――誇り――――――


かつて海堂高校にいた俺とオマエ。
いつの日か出て行ったオマエ。
口々に馬鹿だと罵る奴らを前にオマエは笑いながらこの名門高校を出て行った。
ただの馬鹿じゃなかった奴は俺にないものを持っていた。


不思議に思い近付いてくる佐藤に全ての事を告げた。
海堂は間違っていたのだということ。

そしてアイツは間違ってなんかいなかったのだということ。

「自分の弱さを認めるのはかまわないけど、そんなの自分のせいだろ!! それなら、僕達が海堂の初めの怪物になればいいじゃないか!!」

苦笑しながらそう言った俺に佐藤は教えてくれた。

先刻まで馬鹿な考えを巡らせていた自分を嘲笑う。

帽子を目深に被り

口元は少し綻びながら

大きく振りかぶり

投げる寸前

誰にも聞こえない声で言った。



礼を言う佐藤。


海堂の誇りを胸に俺はまだまだ強くなる……


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