小説
□冬の温もり
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「なぁ…何聴いてるんだ?」
「‥クラシック」
部屋には再度沈黙が訪れ、俺はおもわずため息をついた。
付き合って一ヶ月。 そう思えないぐらい本当に何も起きない。
普通好きだったら会話ぐらいもっと楽しくするだろ。(まぁ‥毎日無表情の奴にとっては無理な注文か)
好きだったら触れてみたいとか思うだろ。
この空気に耐えきれなくなって俺は外に行くことにした。
「薬師寺……出掛けるのか。」
「ああ。」
こんな寒いのに何故…とでも言うような眼で俺を見てきた。
フン…どうせ同じだ。 冷たい空気が流れるこの部屋も外も何も変わらないじゃないか。
俺は暖房の効いた部屋を飛び出し真冬の外へと出掛けて行った。