小説
□笑って
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不意に「笑え」って眉村がいきなり言うから僕はびっくりした
。
「な‥何、どうしたの?」
そんな僕は戸惑いを隠せず彼へ率直に言及を求めた。
「…ただ、お前に笑ってほしくて」
そう言った眉村はどことなく哀しそうで‥僕は彼を抱きしめてあげたくなった。
「眉村…」
何なんだろうな‥この気持ち。名前を呼ぶと愛しく思えてきて、名前を呼ばれると切なくなる。
「佐藤…」
僕がおもいっきり抱きしめたら眉村はそれに答えてくれた。
暖かいのは体だけじゃなくて心もみたいだ。
幸せって…こんな気持ちなのかなぁ。
「今‥眉村は幸せ?」
「幸せだ」
あ…今眉村が笑ったら、僕の心が少し傷くなった。