小説

□笑って
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「眉村…」
「なんだ?」

「僕…眉村が笑うと幸せだけどちょっと心が傷くなったよ。」

「俺もだ‥」

そんな僕なんかより彼はもっと心が傷そうだった。
「じゃ…じゃあなんで僕なんかと一緒にいるの?」
僕がそう言うと彼は

「一緒にいないともっと心が傷むから」って笑っていった。


「佐藤…」
不意に彼は再度「笑って」と言った。
僕は笑った。
切ないね…なんだか切ないよ眉村。


好きだよ‥眉村。
この言葉はまだ口に出せない。
でも、僕が笑ってこの言葉を言えるようになった時にきっと言えるから。
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