小説
□雨がもたらした幸運
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今日は雨の日。
雨の日は孤独になるから嫌い。
一人でいると、より孤独感が募って意味もなく無情になる。
でも今日の雨は違うような気がする。
その証拠にほらインターホンの音が扉の向こうから聴こえてくる。
〜雨がもたらした幸運〜
「ま‥眉村君!!//」
扉を開けると、そこには私の好きな眉村君がいた。
全身が濡れていて髪から滴がポタポタと落ちていた。
…かっこよすぎだ//
「…。」
眉村君は何も言わずにノートを差し出した。
「え?…」
「ノート…忘れてっただろ。」
「え、あ…ありがと//」
「それじゃ。」
「え‥ま、待って!
家に寄ってかない?//」
「…何故だ?」
「ノートを届けてくれたお礼にです。」
「別に‥そんなのいい。」
きっぱりそう言う貴方に私は続けて言った。
「それに、こんなに濡れてる。」
私がそう言うと渋々納得したようだった。
「これで拭いて//」
私がタオルを差し出すときっぱりこう言った。
「拭いたら‥すぐに俺は帰るぞ。」
「わ‥わかってる//」