原作寄り短編小説+夢*2

□プライド
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コイツは1+1=2というような単純計算を思わせる馬鹿だ。

「でも…‥オマエは絶対打たねぇと思ったぜ。」

「…根拠は?」

「勘だ。」

「はぁ!?それじゃ理由になってねえだろ!!」

「本当に打つ気があったなら…お前はボール球にも手を出したはずだ。
右で投げたボール球もお前ならホームランに出来ただろ?」


「そ‥それは。」


何も言えなかった。
すべてこの馬鹿の言う通りだったから。


「薬師寺。」

「‥なんだ?」

「プライドにこだわっちゃ悪いか?」

「別に……悪かねぇ。」

多分俺はアイツの球を初めて見た時から毒されていたんだろう。

毒がまわった今は、もう手遅れだ。

そうでもなければ俺がプライドを肯定するはずがねぇ。

せめてもの抵抗のつもりで、微笑むアイツの横顔を思いきり睨みつけてやった。


**********************
本当はアイツに毒なんかなかった。


強いて言うなら俺が一番必要としていたものを持っていたんだ。







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