[マイナーと会話]
vol.1/恭×首藤
「…で、いきなり二人きりにされた訳だけども。」
「だな。」
「何話すんだ、これ。」
「んー…"二人の親睦を深めてください"…だとさ。」
「なんだその紙は。首藤だけかオイ。贔屓かコラ。」
「まぁまぁ。とりあえずそんな感じらしい。」
「ふーん…跡部ならぶっとばしてたけど、まぁいっか。」
「(…今だけマイナーって事に感謝するぜ。)」
「んで、どうする？なんか話したいことあるか？」
「ないな。」
「奇遇だな、俺もだ。」
「あ、強いて言えば…。」
「言えば？」
「どうしたらそんなに人気が出るか教えてくれ。」
「…実はそれずっと聞きたかっただろ？」
「そ、そんなことねぇ！」
「顔赤いぞー。つか俺って人気あるか？」
「あるだろ！」
「いや、あれは俺を陥れる為の演技かもしれないぞ…。」
「どんだけ疑り深いんだよ。」
「だってよくあるだろ？"アンタなんかが人に好かれるわけないでしょ！"みたいな。体育館裏に呼び出されてビンタみたいな。」
「女の子らしい声と地声の差が凄いな、おい。」
「演技派だから仕方ないんだって。ごほんっ…ほら、自然でしょ？」
「さっすが詐欺師。」
「なんだよそれ、仁王じゃあるまいし。」
「事実だろ？」
「…否めないけど。」
「で、人気の秘訣は？」
「やっぱギャップとかじゃね？俺こんなんでも茶道してるし、色んな顔あるし。」
「なるほど、ギャップか！」
「…そこまで目立ちたいか、お前。」
「当たり前だろ！」
「力強い返事だこと…。」
「俺も叫ぶだけじゃなく茶道とか始めれば人気が出るんだな！」
「保証はしねーからな。それで亮たちに馬鹿にされても知らねぇぞ？」
「うっ…一か八か…！」
「いやいやいや、そこまで必死にならなくても…。」
「俺にはこれっぽっちも人気がないんだぞ！！」
「わーったわーった！分かったから落ち着けって。」
「おっ、俺には…っ、お前、みたいな…人気が…っ！」
「そんなはずねぇって！首藤も多少なり人気ある…と思うぞ、多分！」
「そんな慰め必要ない…。」