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〜もしもこの夢主のお相手が○○だったら〜
(「可能性(フラグ)があったのでは?」という夢主のみ小話)

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(遊戯王5D's)
遊星×ラシル(ブレイブ夢主)
(連載のようにお別れしている設定)


いつものようにパソコンに向かい、WRGPに向けてDホイールの改造を進める今日。

黙々と作業を進めていると、彼女が此処から去っていく際、貰った彼女の髪と同じ色の指輪がキラリと光った。
チェーンを通して首から下げているその指輪を見て、遊星はどこか嬉しそうに小さく笑う。

すると、自分の携帯が着信音を立てて震え始めた。
この着信音を設定しているのは、他ならぬこの指輪をくれた彼女のもので。

「!」

遊星は携帯を手に持つと、キョロキョロと周りを一瞬、見渡す。
クロウは配達、ジャックはおそらくすぐそこの珈琲店、ブルーノは買出し中、アキや龍亜と龍可は学校に行っている時間帯。

つまり、今は誰もいない。
彼女と電話と言えど、二人きりで話せる絶好のチャンスというわけだ。

「もしもし」
『お、やっと出たな? 私だ、元気にしてるかー?』
「ああ。 すまない、作業をしていて気付くのが遅れた」

出てきた言葉は半分は嘘で、半分は本当。
作業は確かにしていたが、そのせいで出るのが遅れたわけではない。
誰もいないか確認していたために、遅れたのだから。

『一年後なんてあっという間だからなぁ、あんまり根本詰めすぎずにやってるか?』
「ああ、大丈夫だ。 クロウやジャックも手伝ってくれている、それに最近・・・」

遊星は彼女に最近の出来事を話していく、普段は無口な彼でも彼女相手だと自然と口数が増えていっている。
話す口調もどこか軽やかで、聞いている者からすれば、上機嫌で話しているとすぐに分かるだろう。

「・・・というわけなんだ」
『なるほどな、凄腕な助手がついてよかったじゃないか。 これでお前が徹夜する日もなくなるな〜?』
「・・・! い、いやそこまで俺はやってないぞ」
『嘘付け、クロウから聞いているぞ。 まあ聞かなくても安易に想像はついたけどな』
「え、どうしてクロウがお前の連絡先を・・・?」

いつの間に彼女と連絡を、そもそもどこで彼女の連絡先を知ったというのか。
いくら親しい間柄とは言えど、自分以外の男の名前が出てきた事に沸々と嫉妬が顔を出しているのを遊星はなんとなく感じていた。

『ん? 聞いてなかったか? 私が少し前に遊びに行った時に交換した』
「えっ? いつこっちに来たんだ!?」
『んー・・・、確か遊星がどうしても欲しい部品がそこじゃ手に入らないからと、外まで行っていた時だったかな』
(・・・・・・あの時か!!)

一ヶ月ほど前だっただろうか、遊星は思い当たる節の記憶を掘り起こして頭を抱えた。
普段は修理の依頼でも来ない限りはガレージにいるというのに、どうしてよりにもよってその日にこっちへ来たのだと項垂れる。

『なんだ、クロウめ。 言ってなかったのか?』
「・・・・・・」
『おーい、黙るな拗ねるな』
「・・・・・・拗ねてなどいない」
『「嘘をつくな、その間はなんだ」』

と、急に彼女の声が近くなった気がする。
いや耳元と後ろから、彼女の声が二重で聞こえた気がする。

遊星が驚いて振り向けば、そこには電話を片手に持っている彼女が立っている。
彼女は電話を切り、悪戯が成功した子供のように笑うと、「よっ、久しぶり!」と片手を挙げて言い放つ。

遊星は椅子から勢いよく立ち上がると、目の前の彼女を逃がさないと言うように思いっきり抱きしめた。
ほのかに香る彼女の匂いと、後ろに回されたぬくもりを感じながら、彼女の長い髪に顔をうずめて、目の前に降ってきた幸せを噛み締める。

そして彼女の姿を見かけ、すぐそこの珈琲店からジャックがやって来て、この雰囲気を壊すまであと少し。
遊星のこれまでにない怒りをジャックが受けるのも、それからあと少しの話である。

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(たぶん両片思いな関係。実は親指の指輪を遊星にあげるのは本編の(フラグ建設阻止のための)没設定だったり)

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