SHORT

□綱吉ハピバ
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※ザンザスハピバ小説とつながっています。












ガシャン。


「ガシャン……?」


なにやら不穏な音がしたので目線を向けると、いつの間にか綱吉の右手首に、銀の手錠が着いていた。


ポカンとしていると、

「おいドカス、イクスグローブは持ってきたか」
「へ?……あ、うん、ポケットに入って……、って、ちょ、投げるなー!」


手早くグローブを取り出され、ポイっ、と手の届かない所へ放られた。


何が何だかわからない。

事態の飲み込めない綱吉を放っといて、ザンザスは手錠から伸びた鎖を引っ張る。

「わっ、」

勢い余って、ザンザスの胸にダイブ。

かぁ、と顔が赤くなる。

「な、な、なんだよ…」


顔を上げると、ザンザスの顔が予想外に近くにあった。

「んむ、」


ちゅ、と口付けられる。

「ん、ぁ」

舌が入ってきたと思ったら、ぐ、と奥まで差し込まれる。
ふ、と目を閉じようとしたその時、


「ん…?」


ゴクン。

あれ。

なんか飲まされた。


そろりとザンザスを窺うと、それはそれは悪どい顔で笑っていた。
ピシッ、と固まる。


「な、なに飲ませ……」
「安心しろ、ただの死ぬ気丸だ。」
「え……」


すると、綱吉の意に反して、ボウッ、と額に炎が灯った。
頭が冷静になって、目が据わってくる。
下からザンザスを見上げた。

「ザンザス……何を考えてる」
「ハッ、たまにはこういう趣向も悪かねぇ。…………今から4日間、死ぬほど犯してやる」
「なっ……!」

言うが早いか、軽々と身体を持ち上げられ、ベッドに放られた。

イクスグローブを取り上げたのは、このためか。

しかも、逃げられないように、ご丁寧に手錠まで用意して。

手錠を壊せないかと、ちょっと力を入れてみたが、そこは、さすがザンザスが用意しただけあって、簡単には切れそうになかった。


「どういうつもりだ、ザンザス」
「ドカスが……そのままの意味だ。今日から4日間、テメェはここからでられねぇ」
「何……、んっ」

覆い被さってきたザンザスに、激しく口付けられる。

「はっ、う…」


いくら強引とはいえ、大好きな相手とのキスだ。

流されそうになる自分を必死に堪えて、綱吉は、なんとか自由になる左手でザンザスを押しやった。


「ま、て……っ!!意味がわからない」

肩で息をしながらザンザスを見上げると、ザンザスは顔をしかめた。

「るせぇ、カスが……いいからテメェは黙ってここにいろ」
「え……?」

なんでそんなに頑なに綱吉を置いておこうとするのか。
ベッドサイドに鎖を結びつけるザンザスを見つめる。
そういえば、4日間がどうのと言っていた。

4日後に何かあるんだろうか……
4日後……?


「あ。……ザンザス、まさか……」
「チッ、分かったら黙ってろ」

とは言われても、ニヤける顔を押さえられない。

そういえば綱吉の誕生日には例年、同盟ファミリーの面々やら、その関係者やらが集まって盛大にパーティーが開かれるので、こうしてザンザスと二人で過ごした事はない。


ホントに、いくつになっても、素直じゃない。


「……ありがとう、ザンザス」


ザンザスの首に腕をまわして、綱吉は微笑んだ。





END



綱吉くん、ハピバ!!!

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