パラレル

□置いていくわけにもいかないし
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置いていくわけにもいかないし





 それ誰だ、と言いたいのを、スクアーロはすんでで呑み込んだ。
 ザンザスが睨んできたからである。

「ツナヨシだ。手ぇ出したらかっ消す」
「は、はじめまして……」


 ザンザスに半分くらい隠れながら小さく頭を下げた少年は、スクアーロと目が合うと、怯えたように背後に引っ込んだ。

 ザンザスに比べればまだ自分はマトモな見た目をしているだろうと思っていたスクアーロには、軽くショッキングな出来事である。

「ねぇザンザス、ここ、どこなの? 」

 不安気な声が聞こえて、何も言わずに連れてきたのかよ、とスクアーロは心の中でつっこむ。

「学校だ」
「がっ、こう…?
……オレ、がっこう……きらい」

 しょんぼりした綱吉は、あるんだかないんだか分からない程のザンザスの庇護欲さえわかせた。

「わかった、帰るぞ」
「ゔぉ゙おいっ! 」

 思わず声をあげたスクアーロを、ザンザスが面倒くさそうに振り返る。

「何だ」
「お前授業どうする気だぁ! ただでさえ出席日数ギリギリだろうがぁ! 」
「うるせぇ、テメェがどうにかしろ」

 心配そうにスクアーロとザンザスの顔を交互に見やる綱吉の手を引いて、ザンザスは本当に昇降口に向かって歩き出してしまった。

 呆然とするスクアーロの頭上で、始業のチャイムが鳴り始めた。



END

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