パラレル

□隣のザンザスさん
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うだうだと、それでも割かし速いスピードで(なんたってザンザスの歩幅が広い)20分程歩いた所に、綱吉たちが通う『真富伊亜(マフイア)学園』はある。

ふざけたネーミングだが、ここらじゃちょっと名の知れた進学校だ。


ここまで来てようやく、綱吉はこの迷惑な隣人から解放されるのだ。

校門で短い別れの言葉を(一方的に)交わした後、綱吉は逃げるように自分のクラスに直行した。

この学園内でザンザスと幼馴染みだと言うことが知れ渡ると、非常にやっかいである。

中学の時はそれで色々と酷い目にあったのだ。

「はぁ〜……」

深い溜め息をつくと、綱吉は机にベッタリと俯せた。
なんだか朝からドッと疲れた。

全部ザンザスのせいだ。

心の中で、面と向かっては絶対に言えないだろう愚痴をぶちぶちとこぼす。


ぐでぐでしているうちに担任がやって来て、綱吉にとっては面倒くさいことこの上ない朝のSHLを始めた。
朝のお知らせが右の耳から入って左の耳から抜けていく。

後で困ることは百も承知だったが、綱吉の頭には朝のお知らせを留めておく気がこれっぽっちもなかった。






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