パラレル
□隣のザンザスさん
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「…………おい、」
「え?…………はっ!?ちょ、何す………んっ!?」
シャツのボタンをちまちまと留めていた綱吉は、名前を呼ばれて顔を上げた。
と同時にいきなりキスされた。
「んーーーっ!!」
突然のことにビックリして、腕を突っ張って離そうとするが、ザンザスの身体はびくともしない。
この馬鹿力め。
ヌルリと舌が入ってきて、綱吉の咥内を掻き回す。
「ん……、ふ、……っは!
っ、な、何すんだよ!!」
やっと解放してもらえた時には、綱吉は肩で息をしていた。
真っ赤になって抗議するが、ザンザスはそんな綱吉にお構い無しで、平然と部屋から出ていこうとする。
「るせぇ、行くぞ」
まったく意味がわからない。
外国人は朝からディープキスをするのが普通なのか。
……いやいや、いくらザンザスがイタリア人の血を引いているからって、そんなわけはないだろう。
綱吉は深く溜め息をついた後、結局ノロノロとザンザスの後を追った。