パラレル
□恋に恋する男
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自慢にならない自慢
「見つけたぞ」
開口一番に、ザンザスは満面の笑みでそう言った。
朝っぱらから気色の悪いものを見せられたスクアーロは、心の中でザンザスと距離を作る。
「ゔぉ゙ぉい……何の話だぁ? 」
「ハッ、このバカスが!
俺の運命の相手に決まってんだろ」
……ついに頭がいかれたか。
楽しげなザンザスを、スクアーロはうろんげに見やる。
「……あれはまさに運命だ。
俺があの時あの場所にいなかったら、アイツは死んでいたに違いねぇ」
きっとザンザスの頭の中では、(彼曰く)運命の相手との、(彼曰く)運命的な出会いが繰り広げられているのだろう。
だがあいにく、スクアーロには、これっぱかしも想像出来なかった。
「……ちなみに、なんて名前なんだぁ? 」
ほっとくと永遠に運命の出会いについて語っていそうなザンザスに、スクアーロはポソリと尋ねた。
が、何がいけなかったのか、急にザンザスが動きを止めてしまった。
スクアーロの頭上にクエスチョンマークが飛ぶ。
「ぉ゙い……? 」
「聞いてねぇ」
「あ゙……? 」
「聞くのを忘れた」
―――なんだそれは。
「ゔぉ゙お……」
「よし、会いに行く」
「い……? どこにいるのか知ってんのかぁ? 」
「知らねぇ」
「じゃあどうやって……」
「俺とアイツは運命の赤い糸で結ばれてんだ。
絶対巡り会う」
自信満々に言い切るザンザスに、スクアーロはもう何も言い返せなかった。
to be continued...