パラレル
□兄弟 U
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※「兄弟の朝」の続編
弟の友達とどこかが抜けてる先輩
「いや〜、参った参った、」
そう言って笑う金髪の少年の鼻の頭は赤くなっていて、少々痛々しかった。
せっかく格好良いのに勿体無い、と綱吉は思う。
「まったく、こっちはいい迷惑だぜぇ……」
ヘラヘラ笑うディーノさんの隣で、いつも何故か貧乏くじばかり引いているスクアーロが、頭をさすりながらぼやいた。
さっきの音から推測するに、下敷きにしたディーノさんよりも、下敷きにされたスクアーロの方が大きな被害を被ったらしい。
「いやー、悪ぃ悪ぃ」
カラカラ笑うディーノさんは、何故か憎めないから質が悪い。
綱吉も何度か被害を受けているが、いつもこの笑顔に丸め込まれている気がする。
「スクアーロ、大丈夫……?」
そっとスクアーロの銀髪に手を伸ばすと、異様にビビられて避けられた。
ちょっとショックだけれど、なんというか、慣れてしまったので、綱吉は改めて「触るよ?」と断りを入れてから、彼の頭に触れた。
スクアーロは、極度の恥ずかしがりやだ。
―――と、前にザンザスに言ったら思い切りしかめ面をされたけれど。
綱吉の印象としては、そうだ。
初めて合った際に、挨拶をしただけで逃げられた時は、何事かと途方に暮れたものだ。
そっと後頭部を撫でると、そこには、可哀想にぽっこりとコブが出来ていた。
「うわ、痛そー……」
思わず眉を寄せた綱吉に、「大丈夫だぁ」とスクアーロが声を掛ける。
「心配してくれてありがとうなぁ……」
はにかむように言うスクアーロに、綱吉は思わずキュンとしてしまう。
―――なんて良い子なんだろう!
うちのザンザスとは、えらい違いだ。
チラリと、お前も見習えよ的な目をザンザスに向けると、何故か物凄く睨まれてしまった。
―――まだ喧嘩のことを引きずってるのか。
心の狭い男だ。
「……俺、スクアーロみたいな弟が良かったな」
綱吉としては嫌味を言ったつもりだったのだが、何故かディーノさんはそれを聞いて爆笑し、スクアーロには微妙な顔をされた。
ふと見ると、不機嫌だった筈のザンザスすらも肩を震わせている。
「………?」
何が何だかわからない綱吉をよそに、ディーノさんがスクアーロの左肩に手をのせて、「報われねぇな」、と笑った。
END
おまいら学校行けよ。