パラレル

□幼児=6歳未満の子ども。とします。
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幼児=6歳未満の子供とします

〜会いました〜





 ほれ、といきなり渡された"ソレ"は思った以上に重く、ザンザスは眉を寄せた。

「……どういうことだ、ジジィ」
「ツナヨシ君だ。お前に預ける」

 適当な説明にザンザスが苛立つと、それを敏感に感じ取ったらしい腕の中の子供が、怯えてバタバタと暴れだした。
 心なしか顔色も悪い。

「あぁすまないね、ツナヨシ君。この子は顔も性格もあまり良くないけれど、じきに慣れるよ」

 なんの慰めにもならないことを言って、ボンゴレ9代目ボスは子供の頭を撫でた。

「じゃあザンザス、頼んだよ」
「おいこら待て。意味がわからねぇ」
「まだ小さいんだから、目を離すんじゃないぞ」
「おいこら、ジジィッ! 」

 ザンザスの叫びむなしく、義父は、彼の目の前で颯爽と車に乗り込むと、そのまま、少しの躊躇いも見せずに走り去ってしまった。

 後に残ったのは、ぶつける宛のない怒りをたたえたザンザスと、ただただ目の前の男に怯える少年だけだった。



END

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