ささげもの
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………………え。
目の前には、ザンザスの赤くて鋭い目。
一度目が合うと、離せなくなってしまう。
｢…帰さねぇ｣
ドクンと一つ、心臓が跳ねた。
｢勝手に帰るなんて言いやがったら、ぶっ殺す｣
｢…っ!｣
何か声を掛けようと口を開いたが、それより早く、頭を胸に押し付けられるような形で、強く抱き締められた。
一気に心拍数が上昇して、顔が熱くなる。
―――だって、それってつまり。
ゴクリと一つ、唾を呑み込んだ。
｢…さ、淋しい、とか？｣
ザンザスの身体が、ビシッと固まる。
しまったと思ったけれど、もう訂正はきかない。
なんかこう、ペロッと、思ったことが口から出てしまったのだ。
ザンザスが淋しがっているのは、まぁ今の一連の言動から考えて間違いないとは思うが、それを、素直に認める奴じゃないということもまた、明白だった。
心の中で、小さくため息をつく。
上昇した熱も、徐々に引き始めた。
―――あぁ、俺、何期待してたんだろ
はは、と乾いた笑いが漏れた。
けれど、掛けられた言葉は、意外なものだった。
｢…………悪いか｣
｢…え？｣
小さかったけれど、確かに聞こえた台詞に、綱吉は目を見開く。
｢、…ザンザス、今、なんて｣
｢うるせぇ黙れ｣
さっきよりさらに、ギュウギュウと抱き締められる。
｢ちょ、苦しいって…!!｣
ジタジタもがいてみたが、もはやヤケになっているらしいザンザスが渾身の力で押さえ付けてくるので、身動きが取れない。
｢ぅぐぐっ…｣
｢………―――――、｣
｢はぁ、はぁ…え？ごめん、聞こえなかった、もう一回言ってくんない？｣
頼んでみたが、またもやうるせぇと言われてしまった。
｢また言いやがったら、かっ消すぞ｣
…あぁ、やっぱり、彼には嘘がつけない。
ニヤけていると、それに目ざとく気付いたザンザスに、死ね、と吐き捨てられてしまった。
｢、なんだよ、俺のこと好きなくせに｣
｢!!!｣
ザンザスの緊張が、密着した身体から伝わってくる。ちょっとザマーミロと思う。
…やばい、大好きだ。
一度大きく深呼吸をしてから、綱吉は口を開いた。
｢…帰らないよ、俺は｣
未練がないと言ったら、嘘になるけれど。
俺には、ここで、やることがあるから。
ザンザスは、何も言わなかった。
ただ、背中に回された腕の力が多少緩んだから、少しは安心したらしい。
耳を胸に押し付けると、聞こえる心音はちょっと速めだった。
今ザンザスがどんな顔をしているのかも気になったけれど、そこは、良心で見ないことにしてやった。
｢〜〜〜♪〜♪〜♪〜♪♪｣
口ずさむのは、遠い東の国の歌。
俺の故郷は、今、ここにある。
END
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希未様に捧げます、ザンツナ、甘々(なのか?これは)小説です。
なんだかもう、こんなんでスミマセン…orz;;
あぅう…(´Д｀川)
こんなんで宜しければ、どうぞお受け取り下さい。
返品、苦情、可能です。
では最後に、希未様、リクして下さって本当にありがとうございました(T∀T)!!!
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