ささげもの

□51615HITキリリク
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ついてない。
ザンザスはそう思った。

ジジィが学校くらい行けとうるさいから久しぶりに来てみれば、頭からジュースを被るはめになった。

ベタついて気持ち悪い。

しかも、あんな目立つ謝り方をしやがった奴のおかげで、あの場にいる全員の注目を浴びてしまった。

やはり学校なんて来るもんじゃない。

水道水を頭から被る。
冷たい。
ベタつきとどちらが我慢できるか悩んだが、結局ガシガシと洗い始めた。

「……あ、あの」

冷たい。
だが多少サッパリしたような気がする。
蛇口を締めると、頭をあげ、振って、水を飛ばした。

「あの……っ」
「あ゙? 」

いつからいたのか、振り向くと、さっき自分にジュースをぶちまけた張本人が、おどおどしながら立っていた。

こういう奴は、ザンザスの最も嫌いなタイプだ。

弱くて、自分というものがない。
見ていてイライラする。

不機嫌を隠そうともせずに黙っていると、そいつが、ためらいがちにハンカチを差し出してきた。

「これ……」

手が震えている。
恐いのなら追いかけて来なければ良かっただろうと思う。
自分が、この学校内でどう思われているかくらい知っている。

それはむしろ、人と関わり合いたくない自分にとっては好都合であったけれど、やはり、こうして無意味に脅えられるのは面倒くさい。

とりあえず、そのハンカチを遠慮する理由もなかったので、ソイツの手から受け取った。

ソイツがぱちくりと瞬きをする。
そんな意外そうな顔をするなら初めから差し出すなよと怒りたくなった。

そのまま逃げるかと思っていたのに、ソイツは黙って突っ立っていたので、自分も、ガシガシと頭を拭きながら、なんとなくその場にいた。

「あ、あの……ザンザス、さん…」

思いきったように、ソイツが言った。
俯いているので、表情はわからない。
けれどきっと、また怯えた顔をしているのだろう。


「た、多分、保健室で代わりのシャツ、借りられますから……だから、その…」
「テメェも二年だろ、なんで敬語なんだ」
「え」

弾かれたように顔をあげたソイツと、目があった。
なんてわかりやすい奴だろうか。
なんで知ってるの、と顔にかいてある。

「校章の色、赤だろうが」

「あ」

本当にわかりやすい。
今度はみるみる真っ赤になった。

「あ…、う…、お、俺、あの、その、ごめんなさい…」

何に謝っているのか。
呆れながら、なんだかザンザスは少しだけ楽しくなっていた。

ザンザスが歩き出すと、慌ててついてくる。

「ど、どこに、行くの」
「保健室行けってテメェが言ったんだろ」
「……行け、とは言ってない…」
「あ゙? 」
「ナンデモアリマセン」


追い払うことも考えないではなかったけれど、なぜか、離れるのは惜しい気がして、コイツから行ってしまうまでは放って置こうと思いながら、ザンザスは保健室へ向かった。



END?



大変遅くなって申し訳ありません(>Д<;)
51615HITキリリク、不良×平凡モノです。
ザンザスの不良っぷりがあまり出せずに終わってしまい、ほんとに申し訳ない限りです;;
こんなので良かったら、暇潰しに持ち帰ってやってください;
ではでは、失礼致します。


       ろろ
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