ささげもの

□9000HITキリリク(ザンツナスク)
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「うわっ! 」

 叫ぶ綱吉を無視して、その身体を思いっきり引っ張る。
 一度ポスンと胸に抱き止めると、後は小脇に抱えて、一目散に出口へ向かった。

 背後からまたびゅおんと聞こえて、間一髪で避ける。
 今ので、この部屋はほぼ全壊だ。

 脇で綱吉が「修理代馬鹿になんないのに……」と嘆いた。

「今は命の心配をしろぉ! 」

 壊れたドアの隙間をかいくぐりながら、スクアーロが叫んだ。

 廊下に出た所でまた爆発が起こり、その爆風に後押しされるようにして走り出す。
 何事かと集まりかけたギャラリーに退くように叫んで、その間を、まるで、お見送りでもされるような形で通り過ぎた。

 後ろで同じく、「退けカス共! 」と聞こえる。


「……なぁ、ていうか、何でザンザスはあんなに怒ってんの」

 抱えられたまま後ろを振り返った綱吉が、呆れたように呟く。
 そんな綱吉をチラと見てから、スクアーロは前方に視線を戻した。

「…………、さぁなぁ」

 お前を好きだからに決まってるだろうと思ったが、わざわざ敵に塩をまいてやる程、スクアーロは親切ではない。

 それで綱吉がザンザスを意識するようになってしまったとしたら、スクアーロとしては、大変面白くないのだ。

「……とにかく、お前は俺が守ってやるから心配するなぁ」

 誤魔化そうと咄嗟に言ってみたセリフに、後から急に恥ずかしくなった。
綱吉が、自分を凝視しているのがわかる。
 自然と、走る速度が上がった。

 鼓動がこんなにうるさいものだと思ったのは、初めてかもしれない。

「……スクアーロ」

 ふいに名前を呼ばれて、気恥ずかしさを感じながらも、ゆっくり視線を綱吉に合わせた。

「、ありがとう」

 ニコッと、照れ臭そうに微笑まれて、スクアーロは「ぐはっ! 」と胸を押さえた。

 心配した綱吉が、どうしたのかと手を伸ばしてくる。

「な、何でもねぇぞぉ! 」

 赤くなった顔を見られたくなくて、スクアーロは綱吉から顔をそむけた。

―――幸せかもしれない、と、爆音と煙の中で考える。

 もう少しだけ、この逃亡劇が続いてはくれないかと、スクアーロは、無謀な願いを心の中で呟いた。



END


 SHIRO様、お待たせしました;;
ざ、ザンツナスクちょい未来話です……;;
何やら色々おかしくてスミマセン;;
ワタクシの文章能力ではこれが限界でした……orz

 こ、こんなのですが、受け取って頂けたなら嬉しいですとかほざいてみます。
 最後になりますが、わざわざリクエストをして下さって、本当にありがとうございました(T∀T)


ホントニオワリ
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