SHORT U
□大嫌い3
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子供みたいだ、と、自分にすがってきた男を見ながら綱吉は思った。
彼は何も知らないまま、あらゆることを経験しすぎた。
時に、恐ろしい程真っ直ぐな彼は、とても無防備に見えた。
危険を感じなかったと言えば、嘘になる。
リボーンにはまた後で叱られるだろう。
けれどどうしても、綱吉には彼を放って置くことができなかった。
ザンザスがしたことを思えば、被害者はどう考えても綱吉だろう。
しかし、スクアーロから今のザンザスの状態を聞かされた時、綱吉が真っ先に感じたのは、罪悪感だった。
自分のせいだ、と思った。
自分が、彼を追い込んでしまったのだと思った。
理由はわからない。
けれど、気付いた時にはここに向かっていた。
何が出来るというわけではないけれど、ただ、側にいたかった。
**********
しばらくすると、胸元から規則的な寝息が聞こえ始めた。
綱吉はホッとする。
きっと、随分まともに寝ていなかったのだろう。
そっと彼の頭に触れ、起きる気配のないのを確認してから、ゆっくり撫でる。
「ザンザス……」
小さく呼ぶと、背中に回されたザンザスの腕に、少しだけ力がこもったような気がした。
綱吉を離すまいとするように。
胸がギュウとなって、綱吉も答えるように、彼の頭を抱き締めた。
放っておけない。
―――違う
放っておきたくないのだ。
側にいたい。
分かり合いたい。
自分を嫌って欲しくない。
「ザンザス…」
眠っている彼の頭に、そっと口付けた。
胸が震える。
「……俺、聞きたいことがあるんだ」
ザンザスに起きる気配はない。
その方が良かった。
答えを聞く覚悟は、まだ綱吉にはないから。
「ねぇ…ザンザス」
腕にぎゅうと力を込める。
この早い鼓動が、彼にも伝わっているのだろうか。
「なんで」
綱吉は、一端そこで言葉をきった。
もう一度、ザンザスが完全に眠っているのを確認し、小さく息をつく。
残りは、一気に言い切った。
「なんで俺を抱いたの? 」
広いザンザスの部屋に、綱吉の声はやけに淋しげに響いた。
to be continuee...
急☆展☆開!!
良いのかこれで(聞かないで)
とりあえず話があまりにシリアスでアレなので(どれなので?)、後書きだけでも明るくいってみました(K∀Y)
こんなところまで読んで下さっているあなたは、神様か暇人ですね(殴)!!
……いやほんとに、ありがとうございます、がんばって完結させます。
もう少しお付き合いいただけたら嬉しいです。
ではでは。