SHORT U

□大嫌い
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 ザンザスは温かいまどろみの中にいた。
こんな気持ちは久しぶりだった。
このまますべて、夢として溶けてしまえば良いと思った。





**********




『なんで』、と綱吉は聞いてきた。
理由などない、とザンザスはかえした。

それが綱吉には理解できなかったらしい。
なら殺すことはなかっただろう、と言う。

ザンザスにはそれこそ理解でなかった。
生かしておいて何の得にもならないような奴を殺すことに、どんな理由がいるというのか。

 話をするのも面倒くさくて部屋を後にしようとするザンザスに、綱吉が珍しく追いすがった。

「まって」

ザンザスは待たなかった。
むしろ聞こえないフリをした。
そんなザンザスの腕を、綱吉が掴んだ。

小さな手だった。
それは温かくて、汚れなんて知らないくらい真っ白で、酷くザンザスの心をかき乱した。


ただ振りほどけば良かった。
何故か、綱吉の目を見てしまった。
視線が交錯した刹那、ドクンと、心臓が冷たい血液を送り出すのを感じた。
どす黒い感情が溢れだす。


憎らしいくらい澄んだその眼差しを、壊したくてたまらなくなった。


戸惑う綱吉に構わず、掴まれた手を振りほどくと、逆に、彼の細くて白い軟弱な腕を掴み返した。

何も言わず、部屋を出る。
綱吉が何か言っていたが、ザンザスには届かなかった。
ザンザスの頭の中には、綱吉を汚すことしかなかった。
これ以上、自分の前にこんな奴がいてはいけないのだと思った。
存在そのものを、認められなかった。


それは確かに、恐怖であった。



to be continued...


久々の続きアップ(TДT)
まとまりが無さすぎて泣けてくる……

ザンザスが綱吉をごーかんするに至った部分……のつもりです。
分かりづらくて申し訳ない……

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