SHORT
□イライラ
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アイツが部下に笑い掛けた。
ムカついた。
ベルがアイツに抱きついた。
クビにしてやろうかと思った。
リボーンがアイツの頬にキスしてから、俺を見てニヤリと笑った。
…ぶっ殺したいと思った。
〜イライラ〜
「………………あ、の。
…………ザンザス?」
「………………………………………何だ」
「く、苦しい、んだけど」
腕の中で、綱吉が身を捩りながらうめいた。
…ウルセェ。
テメェが悪い。
「ぐぇ…!ちょ、まじでヤバイって!!内臓出る!!」
「…アホか」
ムードも何もないセリフに、なんだか気力を削がれたので、ポイッと放してやる。
「げほっ、〜〜〜っ、まじでお前、意味わかんねぇ…っ!!
あぁもう、俺帰るからな!!」
「駄目だ」
踵を返した綱吉の手を掴む。
振り向いた綱吉は、心底ウンザリした顔をしていた。
「なん…」
「ここにいろ」
「…………!?」
綱吉の、ただえさえ大きな目が、驚きで更に大きく見開かれる。
「側にいろ」
みるみるうちに綱吉の顔が赤くなって、掴んでいる手から伝わってくる温度も熱くなった。
「お、おま、それ、はんそくっ…!!」
なんだかよくわからないことを言っている綱吉の手を引いて、口づける。
いつもならここでギャアギャアと喚きだすのに、今日は珍しく大人しくキスを受けいれている。
「っ、ふ…、なん、だよ、お前、今日、どうし、んっ…」
「…テメェこそどうした」
多少拒否されないと、どうにも違和感がある。
「抵抗されねぇとつまらねぇ」
「!!…こ、んのサディスト!!
……〜っ!!お、お前がっ!!」
「………………?」
「あ、あんな、淋しそうな顔、するからっ…!!」
「あ゙?」
まったく、わけがわからない。
誰が、いつ、そんなことをしたっていうんだ。
そんなに真っ赤になって主張することなのか。
じっと凝視していると、綱吉は居心地が悪そうに目線を逸らした。
「…し、仕事あるし、あ、あんまり長くは、いられないからな!!」
そう言ってから、綱吉はコテンと寄り掛かってきた。くしゃりと頭を撫でてやると、気持ち良さそうに目を細める。
あぁ、と返事を返したものの、言っただけで、本当にすぐ帰してやる気は、全くなかった。
END
ザン様がやきもちやきだと考えるだけで胸踊ります…