SHORT
□ふゆの夜
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ふゆの夜
潜り込んだシーツが予想以上に冷たくて、綱吉はブルリと震えた。
隣で、同じようにベッドに横になった男を見る。
「…寒い」
「じゃあちゃんと布団被れ」
ぞんざいに言い放ち、冷たい恋人はさっさと寝に入ろうとしている。
綱吉は唇を尖らせた。
「そうじゃなくて」
広い背中に額を押し付ける。
自分と同じ石鹸の匂いに、つい胸が高鳴った。
「何だ」
彼のシャツを握る。
足の先はジンジンと冷たいのに、顔は熱くてたまらなかった。
「…ザンザスが」
一時躊躇って、呟いた。
―――あっためてよ。
END
綱吉があまえんぼです。