ザン様ハピバ記念

〜誕生日まであと二日〜







「あ」


 カラン、と綱吉の手からペンが落ちた。
 脇で新聞を読んでいたリボーンが、怪訝そうな顔をする。

「どうした」
「わ、忘れてた……」

 みるみる青ざめていく綱吉に、リボーンは「あぁ」、と納得する。

「……そーいやもうすぐアイツの誕生日だったな」
「お、俺、なんも用意してないよ! 」
「そりゃヒデーな。
最愛の恋人の誕生日を忘れてた挙げ句、プレゼントすらない」

 からかい口調で言われて悔しいことこの上無いが、真実なので言い返すことすら出来ない。

「うぅ……なぁリボーン、その……どんなものあげれば、いいのかな……」

 アイツの趣味よく分かんないし、と、恋人らしからぬ弱音を吐く綱吉に、リボーンは(彼にしては)満面の笑みを浮かべた。

「そんなの決まってるだろ」
「え」

 なんだか嫌な予感がする。

 やっぱり自分で考えるよ、と綱吉が言うより早く、リボーンの速攻が繰り出された。
 ご丁寧に、綱吉の声マネ付き。

「『ザンザス、俺をもらって…!』、って言うんだ」



つづく

ザン様の誕生日まであと二日です。
当日までやるつもりです。
思い付きで事を始めてはいけないと思います。


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