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02/15(Sun) 22:06
ハマってしまいました
壱原 紅

最近ボーカロイドの曲が大好きです、紅です。

そんなわけで、妄想してしまった内容を書き込みさせていただきます。
アーチャー(エミヤ)×シグみたいな感じになってしまいましたが……柚明さんの好みだったらいいな…

気に入らない方は閲覧なさらないようにしてくださいませ!それではどうぞ!!

02/15(Sun) 23:36
悪ノ召使(弓シグVer)
壱原 紅

君は英雄 僕は召使
運命分かつ 哀れな2人
君を守る その為ならば
僕は悪にだってなってやる


焔の中僕らは出会った
祝福するは灼熱の風
運命という勝手な都合で
僕らの未来は2つに裂けた

たとえ世界の全てが
君の敵になろうとも
僕が君を守るから
君はそこで笑っていて

君は英雄 僕は召使
運命分かつ 哀れな2人
君を守る その為ならば
僕は悪にだってなってやる


ある日家へ帰ったときに
門で見かけた桜のあの娘
その優しげな声と笑顔に
一目で僕は恋に落ちました

だけど君があの娘のこと
消すしかないと嘆くなら
僕がそれを叶えよう


どうして?涙が止まらない


君は英雄 僕は召使
運命分かつ 狂おしき2人
「今度の土産は紅茶だよ」
君は笑う 淋しく笑う


もうすぐこの国は変わるだろう
1人の英雄の死で
これが報いだというのならば
僕はあえて それに逆らおう

「ほら私の服を貸してあげる」
「これを着てすぐお逃げなさい」
「大丈夫私達は『エミヤ』だよ」
「きっとだれにもわからないさ」

僕は英雄 君は逃亡者
運命分かつ 悲しき2人
君を悪だというのならば
僕だって同じ 罪背負ってる


月の綺麗なある夜に
正義の味方になるのだと
その尊い誓いを立てた
とても愛しい僕の兄弟


たとえ世界の全てが
君の敵になろうとも
僕が君を守るから
君はどこかで笑っていて


(ついにその時はやってきて 
終わりを告げる鐘が鳴る
民衆へと微笑んで
君は俺の口癖を言う)



君は英雄 僕は召使
運命分かつ 哀れな2人
君を守る その為ならば
僕は悪にだってなってやる


もしもどこかで会えるならば
その時はまた笑ってね


END



はい、解説コーナーです
この変え歌は『悪ノ召使』を元に作りました。私のシグさんのルートは基本《UBWルート》なのですが…今回《HFルートの「鉄の心」END》を選んでしまった場合です。


聖杯戦争で苦しみながらも桜を殺す選択を選んでしまった士郎
そして凛が桜を殺そうとした時、シグがやって来て…

「悪いけど、それは私の役目だから」

そう言って、2人の前で桜を殺してしまいました
激昂する凛にシグは静かに言います

「そんなに怒れるのに、貴方はこの娘を殺そうとしたんだな…」

その後

凛とアーチャーを殺して
言峰とギルガメッシュを殺して
バーサーカーを殺して
聖杯たるイリヤを拘束し


――そうして、聖杯戦争は士郎とシグの勝利で終わった


数年後、2人はある国を救う為に戦いました
けれど、人々は士郎を『悪』としてみていました
反英雄としての死が近付いていました


それは、エミヤシロウの絞首台での死の結末


――けれど、シグはそれを許しませんでした


シグは聖杯戦争でアーチャーが士郎の未来だと気付いていました
アーチャー自身がシグに伝えた内容もありました

この《絞首台での死》がエミヤシロウを世界に縛らせてしまう……ならば、別のエミヤが


もう1人の『エミヤ』が死ねばどうなるだろう?


正直なところ、それは無理な賭けでした
それでも、シグは士郎を守りたかった

…エミヤシロウを、世界から助けたかった



運よく2人の身長も髪と肌の色も同じでしたし、髪は切ればよかった、目の色なんて誰も覚えていません

そうしてシグは士郎に自分の服を着せ、士郎の服を纏い、2人は完全に入れ替わりました

事前に伝え呼び出していたイリヤにシグは言います


「ありがとうイリヤ、士郎を頼む」


イリヤは嫌がる士郎に暗示をかけて連れていきます
シグはそれを守るため1人そこに残ります


数日後、絞首台での処刑が行われました
罪人の名前は『エミヤ』
彼は静かに台へ向かいます

そうして処刑を告げる鐘がなると彼は



「世界が、平和になりますように」



そう言って、幸せそうに笑いました


……処刑は速やかに行われました
彼、エミヤは死にました

そう―――『兄』の方が







………この後の話は、少し後に更新させていただきます
恐らくアーチャー×シグになります
期待しないで待っていてくださいませ


壱原 紅

02/19(Thu) 16:01
悪ノ召使
壱原 紅

これは、4日間の真夏の夢の欠片
繰り返される日々が、終わりを迎えた後の話

「それで、どうしたんだこんな時間に?」

アーチャーは、シグ以外誰もいないのを見計らって
平日の衛宮邸に訪れていた

「…会いたくなったから来たのだが、悪かったかね?」
「いいや、でもまさかセイバーが昼御飯食べて散歩にいったと同時だったから驚いただけ」
「む…」

くすくす、と笑う姿に見透かされていると感じる
けれど咎められている訳ではない様子にどこか安堵してしまった

「眉間に皺が寄ってるけど、大丈夫?」
「いつもの事だ」
「嘘だな、アーチャー…貴方、少し寝不足なんだろう」
「…サーヴァントに睡眠は必要ないが」

その言葉に呆れた様にシグに苦笑される
正論を言った筈なのに、こちらが間違っているような反応をされると正直戸惑う

そんな私を見てどう思ったのか、シグは立ち上がると縁側に座って
此方へ来いと手招きしてきた

「よし、なら早速寝るといい」
「何故、それに君は何故その体勢なんだ」
「ん?膝枕」
「残念だが…私はそう言った冗談は好かないのでな、断らせてもらう」
「うん、それはよく知ってるから、とりあえず……」

ぽんぽん、と軽く自分の膝を叩くと…


「おいで、シロウ」


…卑怯だ、今は断れないと気付いているのだろうか?

「…少しだけ、だぞ」
「はいはい」

渋々と近付いて、膝枕の体勢に移る
…どこかぎこちない動きなのは、自分でも気付いていた

そんな様子に溜息を吐くと、シグは

「………何か、あった?」

そう、問い掛けた


―――――とても空虚に近い、上には殻が置いてある


「何がだ」


バラバラに割れた硝子、触れようとしても傷付くだけ


「らしくないから、貴方がここに来るのも甘えるのも」


冷たい眼、まるで凍てついた氷のような眼


「膝枕とか誘った時点で断らなかったし」


虚ろな硝子、空白に近いその心


「結構…無理してるんじゃないのか?」


空虚な透明は真っ青な穹を見詰めている


問い詰められている訳ではないのに、その声に口を開いた

「…夢を見た」
「何の?」
「―――1つの国を、救う夢だ」

助けて、と
誰かに何かに救いを求めることは悪くない
苦しいと縋りたくなる
人はそうできている
だから悪いことじゃない


助けて、と
嘆く声を全て拾いたいと願ったのは、自分のエゴだ
叫ぶ声を振りほどくことなどできなかった、したくもなかった


幸福を
人に幸福を
その証しが欲しかった

平和であってほしい
笑っていてほしい
苦しまないでほしい
嘆かないでほしい

生きて、ほしい


願いは多く、叶える為に力をつけた
未熟な強化も剣製も磨き、体力もつけた


貫くと決めた思いの為


戦った
殺した
壊した
それで救えた命は山程あった…失う命も多かったけれど、仕方ない


救えるのなら


「ならどうしてそんな顔をしている?」
「何が?」
「辛そうだなと思って、救えたんだろう?国を」


そうだ、夢で確かに自分は救った

1つの国を
そこに住む人々を
多くの命をこの手で


けれど


「代わりに――――――貴方を失った」


そんな絶望を、同時に知った


「世界が、平和になりますように」

誰よりもその運命に理不尽だと思っていただろうに
それでも貴方は凛として、綺麗な笑顔で俺の口癖を言いました

ガタン、と音を立てて無くなる足場

首を吊られて揺れる身体
ゆっくりと締め上げられ息が止まるその瞬間
その瞳は、最期まで自分を案じているモノと同じだった

「…記録か?」
「ああ、恐らく『座』にいる本体からのものだろう」
「それが流れ込んできて、夢に視た…か」
「…そうだ」

どんな理由かは分からない
ただ平行世界という可能性の中で
こんな結末もあったのだとこの「自分」は知った


虚ろな硝子
氷の眼には青い穹
穹を映しただけだった

そして、簡単に割れてしまった

バラバラに割れた硝子
自分は剣なのだと知った
剣は何も映さなくても、誰かの傷付け方を知っていた


「分かっている、あれは別の「エミヤ」の記録であり、オレのものではないことも」

でも、確かに胸に痛んだ

「だがあの記録は■■■を殺した後のモノで……いや、貴方に殺させたモノだったんだ」

それは、いつかまた訪れるのではないかと思うほどに

「エミヤシロウはそこにいるだけで、誰かを傷付けてしまう…案じてくれる貴方すら、オレはずっと苦しめていた」

なのに夢の中の貴方は離れていかなかったと言えば、彼は小さく笑って言う

「それでも傍にいよう、エミヤシロウは私の大切な人なんだから」

柔らかく微笑んで髪を撫でてくれるその手は、とても懐かしかった

02/19(Thu) 16:04
空虚を埋めるのは
壱原 紅

遠い昔、この人は強い人だった

けれどこの人は、罪も無いモノを沢山殺すのは嫌だと涙した

この人にあったモノがオレにはなかった
この人に出来なかったことがオレには出来た

兄と弟の違い
自分は歪んでいると知った



「……オレは、自分自身に依存していないことを知っていた
兄さん、貴方がオレを守ろうとしてくれたのは気付いていたけど、『正義の味方』でいようとしたオレはそれを受け入れられなかった」

触れられる手の温もりに、心のどこかが軋んでいる気がした
それを無視して呟けば、彼は静かに「そうか」と呟いた


「――――――それでも、たとえどんな感情であったとしても沢山の人達と同じように、
貴方を助けたいと思ったのは確かだったんだ」


撫でていた手が、止まる


「自分はどれだけ血を被っても構わない、貴方を優しくて温かい世界へ連れて行きたかった」


自分の変わってしまった眼の色を、彼の穹色の眼が覗き込む
その穹が宿しているのは、とても悲しげで穏やかな色だった


「あの時の貴方の歌を聴きたいとずっと思っていたんだ、今の貴方の歌を綺麗だと思ったんだ
自分じゃない筈の「エミヤシロウ」の記録で、貴方が傷付いている姿を見るのが嫌だったんだ」


「シロウ」と自分を呼ぶその声が、祈るようなモノに聞こえたのは何故なのか
夢に視た姿に重なる、ああオレは貴方を死なせたくなんて無かったんだ


「…だから、まだオレの中にもそんな感情が生きているのなら、こんな崩れたガラクタでも誰かを守れると言うのなら」


手を伸ばし、その頬に触れる



「オレは終わりまで、頑張っていくと貴方へ誓う」



そうして触れた相手の温もりに、ただ1つの想いを告げた



「……勝手だな」

少しの沈黙の後、シグはぽつりとそう呟いた

「すまない、迷惑だったろうか?」

無表情とも取れるその顔に謝れば、そうではないと首を振る

「シロウ、それはどこか間違ってるよ…どこかなんて聞かれたら答えるのは難しいけど、でもやっぱり破綻してる」
「貴方を守りたいという気持ちがか?」
「いいや、確かに私を守りたいという気持ちは違うけど、何よりシロウはまだ根本的なものを間違えたままだ」



「エミヤシロウ、私に幸せになれというのなら、貴方が幸せにならないといけないのに」



今にも泣き出しそうな顔で、そう告げた

「沢山の誰かに幸せになってほしいのなら……シロウだって幸せになれ、じゃないと、私は辛い」

それは説得ではなく、懇願に似ている響きだった
シグは片手で自身の額に手を当てると、苦しそうに言葉を紡ぐ


「ああそうだ、シロウが壊れてしまうなら私はそれを救いたかったんだ
人として当たり前の感情、それをシロウは捨ててしまっていたから」

誰か1人を特別に想い
その1人を愛すということ

「エミヤシロウは悲しい、だって貴方は人の愛し方を知らなかった」

だから、■■■を殺すと言えてしまった

「それはシロウのせいじゃないけれど、でもそれは人としてもう壊れてる」

だから、鋭利な剣の内なる虚ろに、周りの人々は気付けなかった

「全ての人々を平等に見れるということは、大切なモノがないということ」

だから、今までのエミヤシロウが迎えてきた、そんな結末に至ってしまう


「特別であるからこその贔屓は『人間』として間違っていない、エミヤシロウはそれに気付くことが出来なかった」


だから――――――英霊エミヤは、孤独の淵に立ち続ける道を選んでしまったのだろう



「エミヤシロウは独りにしない、それは私が許さない」
「シグ…っ!?」

ぎゅっ、と膝に乗せていたアーチャーの頭を抱き締める
驚いた声に眼を伏せる

「だから私だけに温かいモノを渡すな、シロウがそうなったのは止められなかった私のせいだろう
どうして自分だけ暗いモノを全部1人で背負おうとするんだ」

いつの間にか、外では雨が降っている
小さな雨音がア−チャーの耳に聞こえた

そしてそれに紛れるように、すぐ傍で、パタリと音を立てて零れ落ちていくモノがある


「貴方が堕ちる時は、私も一緒に堕ちるから
だから――――――」



――――――私を置いていかないで
私を、信じて



「…シグにぃ、オレは確かに強くなったけど、■■■を守れなかった」
「守れなかったのは、私だって同じだ」

自分より小さな身体に腕を回す
抱き合う形になっても、抵抗は無かった

「兄さん、オレはこんな時に涙も出ない」
「なら、シロウの分まで私が泣こう」


そうして、通り雨の振る中、2人は静かに抱き合っていた



“土砂降りの雨の中 ひたすらに走ってた
 世界は僕等の存在すら否定した”

“目に映る全てが敵だらけな中で
 差し出された手はあまりに尊くて”

“不確かな大地の上で
 寄り添う事で生きてる今を知って
 当たり前をがむしゃらに求めた
 共に在る事でこの命の意味を解れた”

“I wish ただ ただ1つだけ
 祈るような幸せを握りしめてたんだ
You wish 偽りばかりの国で
 ねぇ君の視た空はどんな色だった?

 流した涙は一片の真実
 そう ここで確かに生きてたんだ”



降りしきる雨が上がる
澄み切った穹は、どこか怖くなるぐらい綺麗で心が揺さぶられる
まるでこの人のようだと、自分の肩に頭を預け、今は静かに眠るその姿にそうアーチャーは思った



割れた破片を探ってみた
優しい歌を思い出した

昔まだ幼かった頃、あの火災の記憶で眠れなくなることがよくあった
そんな時、この大切な人は少しでも安心出来るようにと
いつもすぐ傍で、静かに歌を歌ってくれたのだ

綺麗な歌声、眠りへ誘うその優しい声に意識はすぐに落ちそうになる
それでも歌が終わるまで起きていたのは、きっと自分が聴きたかったから

虚ろな硝子
空白に近い心

だけど、あの時の自分はどこかが満たされていたのだ





「シグにぃ、ありがとう」




   「貴方が堕ちる時は、私も一緒に堕ちるから」




――――――ごめんなさい、オレはきっとそれを選ばない





虚ろな硝子は穹を映していただけで、自分に皹が入っていたことを知らなかった

そうしてバラバラに割れた

自分の皹の存在を知った
自分の歪みを知った
自分は剣だと知った

虚ろな中にいたものを知った
それを嫌だと思わなかった、穹を映しただけの透明感情

だけどそれでも

綺麗なものをまだ見たいと
大切なものをまだ守りたいと

そう思ったのも本当だから、そんな自分を生かし続ける



真夏の夜の夢はこれで本当に終わり
明日からは、真っ青な穹の下で新しい日々が動き始める

END

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