Fate小説
□ハロウィン
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今日は子ども達が待ちに待ったハロウィンの日。
普通ならこの行事に参加するのは子どもやその子どもの親のようなのだが、この市は少々様子が違う様だった――――。
「実はですね、この市は海外との交流が多いもので、ハロウィンは市全体で参加する行事になってるんですよ。ですから僕のマスターもこの行事に参加しなきゃいけないんです。仮にもシスターですからね。でもそのマスターが面倒だから僕にしろって言うんですよ。職務怠慢ですよね……え?何が言いたいのかって?察して下さいよお兄さん。
――――ハロウィンの日、僕に力を貸して下さい!」
まぁ……ことのあらすじは今の英雄王(小)の言葉で分かったと思う。
今回はキャスターと英雄王の(聞いてて)恐ろしい会話は載せないでおくが、結局拙者はハロウィンに参加する事になったのだった。
「お兄さん、向こうについたらまずは仮装の準備ですよ。お菓子はもう発注して届いてますから大丈夫です」
「そうなのか。…しかし拙者は仮装しなくてもこの服のままでも良いのではないか?」
拙者の服は侍のもの。別段このままでも構わないと思う。
「…確かにお兄さんの普通の服自体が仮装みたいな物ですけど、…………それじゃ僕が楽しめませんから却下です」
…いつもだが、会話をしてると英雄王の本質は同じなのだなぁ。としみじみしてしまうのだった。
「ほらほら、もう着きましたから。早く入りましょう!時間無いんですから」
ゆっくり扉を開けていく英雄王。
この時密かに英雄王がほくそ笑んでいた理由を、拙者は後で身をもって知る事になるのだっだ。