Fate小説

□機嫌の悪い日、機嫌の良い日。
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その日はとても良い天気だった。綺麗な青の中にポツポツ出てる白い雲、太陽もまだ半袖の俺に過ごしやすい位の暖かさを与えてくれてる。

あぁ、恐らく今日の俺は機嫌が最高だろう。







機嫌の悪い日、機嫌の良い日。










普段の俺ならこんな日は迷わなく釣りに行く所だが、今あの港にはあの嫌味な弓兵や金ピカ野郎がいる。あそこは今や俺の鬼門になっちまった。

だったら、と俺は山門を目指していた。
山門にいる門番(俺の恋人)に会いたいのが理由の一つで、その門番とこの気持ち良い天気を一緒に過ごしたいのが二つ目の理由だ。

最近何だかんだでアイツに構えなかったし(理由の大半は弓兵と金ピカの邪魔によるもの)久しぶりに静かなあの空間で骨休めをするのも良いと思った。

アイツの側は心地良い。味のある喋り方も、弓兵とは違い聞いても嫌にならない嫌味も、程良い低さの控えめなアイツの笑い声も、穏やかに笑うアイツの顔も……どれも俺を癒やしてくれる。
アイツを手に入れるまで少しいざこざが有ったが、そんな事よりも今側に居てくれる事が助かる。


「ヘッ…らしくないか」

空を見上げながら少し歩調を早め、俺は柳洞寺へと向かった。
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