堕ちた翼

□V:学校
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*

「シンガッキ?」

レインは聞き慣れないその単語を、ただ棒読みで反芻した。
「そうだよ。今日からまた学校が始まるんだ」
「学校……」
呟いて、レインはパチンと手を叩く。
「あれ? 人が赤の他人から知識を得るために行く施設?」
レインの微妙にズレたその言い方に、聖は思わず苦笑いをする。
「うーん……まぁ……そんな感じ、かな? レインは学校とかなかったの?」
「まあね。知識とか神術の基本は、親が教えるのが当たり前だし」
「へー。親が先生なんだ」
聖は言いながら、レインに背を向けて着替えていた。それに違和感を覚えたレインは、思わず口を開く。
「聖、今日はなんだか服が違うね」
「ん?」
着替え終わったのか、聖はレインの方に振り返った。その服装は、白いカッターシャツに黒い長ズボン。シャツの左胸元には、『2ーA 天崎』と書かれた布が付けられている。
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