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夕日で赤く染まる

堅い
固い

コンクリートを見つめながら

重い足を進めた。






「ただいまー」






「おかえり、章大

…どうだった?学校」


「…別に、普通やけど」


「…そ、そう」


「……」







パタン










母親は

俺に気を使う。





…あれがあってから。





「………」






思い出すだけで

心臓が痛むようにキツくなって




だから、

脳みその見えない奥深くの扉に

閉じ込める。





消え去りたい、

記憶。



それでも決して



消え去る事なんて出来ないのに


ただ、願う。






俺が全て悪いわけじゃない、って言うけど

俺からしたら全て俺のせい。


自分の罪だ。

だからこそ、
大きな罪悪感に襲われ



逃れられないんだろうな。








なんだか頭が重くて

俺はそのままベットに横たわると


少しづつ

意識が遠のいていった。








いつの間にか


夢か現実かもわからないまっくらな世界に立っている。




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