ごくつな
□初雪
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「ぢゃぁ温めるんでそこら辺に適当に座って少し待って下さい。」
「うん。」
(獄寺君、何作るんだろぅ)
しばらくして…
チーン
台所から聞こえきた。
「10代目出来ましたよ。」
目の前に運ばれてきたのはナポリタンのスパゲティだった。
「え゛……これ冷凍食品??」
「ぁ。すみません。こんなのしかなくて。オレ料理あんまできないんですよ。それはイタリアから直送のスパゲティですよ。」
「そぅなんだぁ」
と口に運ぶ。
「ひゃちっ……でもおいしいね」
(っていうか、さっきからオレ食べてるとこ見られてるんだけど…)
痛いほど獄寺君の視線を感じる。
「10代目―…熱いから気をつけて下さい。」
耳元で呟く落ち着いた声。
獄寺君はいきなりオレの口の周りを犬みたいにペロペロと舐める。
「口の周りにソースついてましたよ。」
「んっ!??」
さっき火傷した舌の先を獄寺君の舌が愛撫する。
「!!いっ痛いよ!獄寺君っ」
ばっと獄寺君から離れた。
正直オレは痛さより舌が触れられたことにしびっくりした。
「すっすみません…」
シュンとする獄寺君が少し寂しく見えた。