□片思いチェリー
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今思ったらそうだよ。片思いの方が全然痛くないの、でもやっぱし片思いも痛いです。どうすれば良いのか分からなくなったら胸に手をおいて呪文を唱えるの。




「…好きだよ、世界中の何よりも」

「へ?何がっすか」

「なんでもない」

「早く買えると良いっすねチェリージャムパン…」




購買で並んでる時丸井先輩が口を開いたからびっくりした。だって購買は混むからいつも黙って待ってたのに突然喋るんだもん。先輩が好きなチェリージャムパンは売り切れた。



「あーあ、愛しのチェリーが買われてった…」

「また明日買いに来ましょうよ、ね?」




愛しのチェリーの代わりになる物なんて存在しない、今日一日最悪だわ。慰めてくれる赤也の優しさは俺をどん底に突き落とした。
優しさだけでは世界は成立たないことを俺は知ってるから、片思いだけじゃ愛は成り立たないってこともイコールになるんだよね、多分。でも俺の世界は片思いで成り立つお菓子の世界なの。だから呪文を唱えるよ




「ホント、お菓子業界見失ってるよね…」

「あっ仁王先輩がチェリージャムパンもってる」

「えーまじかよ」


俺は仁王のこと好きなんだ誰よりも、って自覚するのはチェリージャムパンが宙に浮いた時だった。






片思いの方が全然痛いのかもしれないけど永遠ループでこれは続く

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