愛
□酸っぱいハートを
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俺は黒いイスに座ってピアノを弾きます。音楽室の扉を全開にして皆に聞こえるように歌います。曲名はもちろんネコ踏んじゃった。だってこれしか弾けないから。
「ネコひいちゃった、ネコひいちゃった、ネコをひいたら挽き肉だ」
「赤也それグロい」
「そうだ、先輩行ける高校あったんっすか?」
「先輩に向かってそれは失礼じゃねぇ?謝れよ糞ワカメ野郎」
丸井先輩の腕が俺の襟元を掴んでイスから引きずり落とした。そんでもって内蔵がいっぱい詰まったお腹を2回蹴りつけてきて、痛みで顔が歪んだ。
あーあ、俺って馬鹿みたい。今日夢で丸井先輩に好きって言われてとっても嬉しかったのに。むしろ、そんな丸井先輩なんて嫌いだって言ってやれば良かった。しかも夢精までしたのに。今の現状ってなに?
「丸井先輩、痛い」
「内蔵全部吐き出せば楽になるよ、殺してやろうか?」
「丸井先輩が殺してくれるんだったら、天国行きだな…」
「バーカ、地獄だっての」
丸井先輩は俺を踏み付けて鼻で笑った。俺は丸井先輩のそんな顔大嫌いだけどね、丸井先輩のお腹についた肉は大好きだよ。だって美味しそうじゃん。
酸っぱい
ハートを
打ち落と
せ!