□永遠の盲目主義者
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黒ずみかけたチェーンネックレスを指に引っ掛けて回してたら見事に飛んでいった。ああ、見つからない、仁王に貰ったドクロのシルバーアクセサリー。
無くしたなんて聞いたらきっと脆い仁王の心に傷が付いて、瞬く間に俺の前で音をたてずに崩れちゃう。そしたら俺は泣きながら砕けた仁王のハートを綺麗に修復しなきゃいけなくなる。

仁王の痛みが角砂糖1個なら、俺の痛みは角砂糖3個と少し分位。センチメンタルな仁王よりも俺の方が泣き虫だって仁王は気付いてるのか分からないまま、今日も白線みたいな現実との境目を歩く。




「丸井先輩なに探してんですか?手伝いますよ」

「お前って以外といいとこあるのね」

「以外ってなんすか」





見つからないネックレスをひたすら地面に這いつくばって探す俺は、幸せなんて全く考えてない盲目主義者だ。もう見つからないんじゃないかって、俺は赤也の少し頼りない背中を見つめながら体育座りして壁にもたれかかった。いや待てよ、俺が仁王のネックレスを探してる時点で俺はいい事をしてるって事じゃん!俺偉い!

そんな事考えてたら、埃だらけになった赤也が振り向いて笑った。




「あった!これっすか?」

「それそれ!ありがとう赤也、俺って偉くね?」

「は?俺の方が偉いっすよ」






















彼は永遠の盲目主義者

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