□偏食ハート
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俺は暑いのが嫌いだ。


春から夏に季節がうつる時期が嫌い。そんな時に冷たい仁王の手と俺の手のひらが重なって、小指と小指がこんにちはした。そしたら俺たち繋がってるって気がして思った。「こう見えても俺、ロマンチストなんだなー」って。けど、最近は永遠に赤い糸を信じる永遠信者になりたいと思ってた。そしたら年をとっても心は少年のままで居られそうじゃん!でもやっぱり俺は普通の男子中学生だから、諦めることにしよう。



目が覚めたら錆臭いフェンスに寄り掛かっていた、ああ、現実みたいな夢だったって訳かー。









「ねえもし俺が冷たくなって瞼を開けないで、息が止まって眠っていたら仁王はどうする?」

「縁起悪い、そしたら起してあげるよ」




仁王はそんな事言って目を瞑ったけど俺は手が青くなりそうな程悲しい事を言っちゃった、なんて小さく後悔した。
でもやっぱり今日は夏で、死んで冷たくなる事はある訳なくて、時計はあとすこしで3時を指そうとしてた。俺達の心はまだまだ小さくて、角砂糖の一個も入らないような心を開くために長々と生きるのかもしれない。人間はなんて面倒なんだろう!俺は仁王の気持ちだけ分かれば十分だから、仁王今日パフェ食べに行かない?
















偏食ハート

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