ポケットモンスタースペシャル 隠された真実
□A──悪魔の弾丸
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少年クラウドと金髪の子供チヒロは、マサラタウンに向かって山を下りていた。
「なあ、チヒロ…って言ったっけ。
お前はどっから来たんだ?」
歩いているチヒロはにこりと笑う
「はい、ハナダから来ました」
その笑顔にどきっとしたクラウド。
だが、なんとか平静を保って続けて訊く
「ハナダから引っ越してきたのか?」
「ん…、そんなところです」
クラウドは頷いて、腕に抱かれているニョロゾを見つめて言う
「まさかあそこでラッタがでてくるとはな…」
「この辺りには居ないんですか?」
「ああ。たぶんそのラッタ…あいつらのだと思う」
するとチヒロは慌てる。
「人のポケモンですか?だったら返さないと…」
「いや別に良いだろうよ。
あいつらのだし」
チヒロは首を傾げてクラウドを見上げた
「…あいつら、?」
「──デビルショット(悪魔の弾丸)だ」
クラウドは言って、毛嫌いするかのように身を震わせた。
チヒロは不思議そうに見ていたが、やがて遠くを見つめて気がついたように言った。
「──?」
「ん?どうした」
チヒロは遠くを見つめてつぶやく
「あれは……誰ですか?」
「誰って……」
チヒロは遠くを見つめたまま言った。
「茶髪、白衣に黒い鞄。ズボンは…ジーパンです」
それを聞いたクラウドはちょっと驚く
「父さんか?」
「クラウドさんのお父さん?」
「ああ。今の特徴が合ってたらな。ポケモン学者やってるんだ。
でもなんでこんなところに…」
チヒロは続けて言った
「じゃあ、両脇に居る人は」
「両脇?母さんと弟のチェトか」
「……いえ。
どっちも大人で、男です」
クラウドは首を傾げる。
「おかしいな。父さんに助手は一人しかいないし…」
それを聞いたチヒロは、ぽつりとつぶやく
「…あの人が、危ない」
「へ?」
そしてなんの前触れもなく、チヒロは傍らのヒトカゲを連れて走り出した。
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