夢のカケラ

□淡いキモチ
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「いってきます」

「あら、今日は早いのね」

ママがこっちを見て笑う

「またテイマーズの集会?」


あたしのベルトについたカードポケットを指さし、面白そうに言った。

「まあね」

「ふふ。行ってらっしゃい。あ、寒いからちゃんと上着着ていくのよ」

「はーい」


あたしはテーブルの上にあったおばあちゃんの好きなアラレをつまんでから、廊下にでた。

庭に直に面している廊下はすごく寒い。

でもここを通るのは好きだから。

中庭は雪で真っ白。

池も凍ってる。昨日は上を歩けたな…。

板の廊下だから、足下に痺れるような冷たさがあった。

でも歩くし。


玄関で、かけてあるコートをとる。薄いベージュのものだ。
これを着て、レナモンと一緒に戦ったことがある。

そのとき、啓人に夢で見られてたっけ

(あ──…)

啓人のことを思い出して、あたしはそっぽをむいた。


赤いシューズを履いて玄関をでて、あたしは名前を呼ぶ


「──レナモン」

すると、門の陰から黄色の美しいデジモンが現れた。


「──ルキ」

「行くよ」

あたしはそう声をかけて歩き出す。

寒いから、下に着ているハイネックを口元まで引き上げる。


「ルキ、啓人は良いのか?」

「啓人…ね」


あたしは肩をすくめて見せる。

それでハイネックが下がったから、急いで引き上げた。


「啓人は知らないわよ」

「…喧嘩でもしたのか、ルキ」

「知らない!」

あたしは素っ気なく答え、ざくざくと雪を踏みながら歩いていく。


後ろではレナモンが小首を傾げてた。





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