愛唄

□この言葉以外伝える事が出来ない
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本当は、言いたくて言いたくて仕方ない言葉があるんだ。でも君を目にすると、喉まで出掛かっていたこの言葉は可笑しいくらい重くなって、押し返されてしまう。情けないけど、唇が震えるんだ。

「本当に、情けない」

たった一言、たった一言の単語が言えない。言葉にするとほんの少しで、それでも君の反応が怖くて俺は言えやしないんだ。きっと俺は君の親友で、ボンゴレのボスでしかないから。だから、やめようと思った。この想いを伝えるのも、この想いを伝える為のたった一つの単語を言葉にすることも。それでも、この言葉を伝えようと思うのは、俺が君の事を可笑しいくらい想っているからで、親友という立場を捨ててでも手に入れたくなったからで。

「もう、決めたんだ…」

この想いを隠していたのは昨日まで。この想いに決着をつけようと思ったのは昨日から。可笑しいよね。この言葉以外だったらいくらでも伝える事が出来るのに。でも、今はまだ言えなくても、絶対言ってみせるから。
だって君は鈍いから、回りくどい言葉なんかじゃきっと分からない。




この言葉以外伝える事が出来ない
(愛してる。この世界の誰よりも)



20071219
愛唄で20のお題3。
自分の気持ちに決着を。


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