愛唄

□君の選んだ人生
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視線を感じて上を見たら、君がいた。でも、その表情はいつもと違っていて。そう、私を見て険しい顔をしている。
私は、何かしてしまったのでしょうか。それとも、私はもう必要ないのかな?
そうなのかも、しれない。きっと、私はもう君には必要ない。
それは、マフィアの部下という立場の私も、君の親友という立場の私としても。
泣いては、いけない。
私には、泣く資格も無いのだから。だって、私が今ここにいるのも、全て君のお陰でしかないのだから。
いつかは、こうなると分かっていたんです。だってだって、君にとって私は足手まといにしかならない存在で。たいして役にも立たない、弱いだけのただの女。逆に、ここまで私を傍に居させてくれたのが奇跡に近くて。
でもきっと、それは奇跡なんかじゃなくて君の気まぐれ。
その気まぐれが今、消えてしまっただけのこと。いつかは来ると分かっていた時が今、来てしまっただけのこと。
私の、このどうしようもない想いが、君を苦しめ君に迷惑をかけているの。この想いがなかったら、私はここに留まることはなかったから。
でもね、こんな私をここまで隣りにいさせてくれて有難う。
きっと、君がこれから選んでいく人生に、私はいらないから。

だから、さようなら。私は今日、この想いを切り捨てる。




君の選んだ人生
(もう一度君の部屋をチラリと見て、その場を去った)



20071222
愛唄で20のお題6。
私はもういらないの。


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